新ステージ開始! 秘境です千葉の山①
(写真:「ニホンザルと出会うみち」高宕山からの山並み)
こんにちは、りゅうぞうです。
前回は三浦半島南端の岩礁のトレイルをまわり、ようやく神奈川編が終了したところでした。
⇩前回の旅はこちら
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神奈川編が終わったのは平成27年の3月29日ですが、それからいろいろありまして、千葉編を開始するのはかなり時間が空いてしまいます。
思えば、この時が関東ふれあいの道一周存続の最大の危機だったかも・・。
なんとなく、面倒臭かったというか、モチベーションが出なかったというか。
「もう、やめようかな・・」
そんな気持ちを振り切り、再開したのは5か月後の8月でした。
今回のコース全体図です。
とにかく、スタート地点まで行くのが遠いです・・・
そして、ゴール地点はさらに遠く、もう「秘境」です。
本当は、電車が通っている海側まで行く予定だったんですが、途中で力尽きて、山の中で終了してしまいました。この件は次回でお話しますね。
今回のルートの前に、東京湾からのコースがあるのですが、今回はどうしてもうまくつなぐことができなくて、その次のコースからスタートしました。
さて、細部ルートです。
これが1日目です。
電車でJR内房線佐貫町駅まで行き、そこからバスで神野寺というお寺まで行きます。
マザー牧場で有名な鹿野山です。
ここからずーっと林道と山中を通り、一山越えて豊英(とよふさ)湖に出て、近くのキャンプ場でビバーク。
「九十九谷をたどるみち」と「ニホンザルと出会うみち」です。
(なお、この地図は千葉県のホームページに掲載されているルートマップですが、西が上になっていたりしてすごく分かりにくい!)
きっと、この細部ルートを見ても、どこなのか分からないですよね。まあ、千葉の一番山奥の地域です。だいたいそのぐらいで十分です。
次に2日目
これもまた、わかりにくい・・。
豊英湖から一山越えます。これが「滝のあるみち」。
次の「モミ・ツガのみち」と連結していないため、鴨川有料道路を通ります。
その後、金山ダムからルートに入って山に入り、清澄山まで。
本当は、ここからもう一つのルートに入って山を下り、太平洋まで出ようと計画していたんですよね・・・
ということで、平成27年の8月22日~23日にかけて旅をしました。
秘境感たっぷり、九十九谷から石射太郎山
家を出てから、はるばる3時間・・・
いかにも「ぼくの夏休み」風のJR佐貫町駅に到着です。季節は巡って8月です。
ここからさらに、バスに乗って山奥へ。
バスの乗客は、ぼく一人です。
バスの床は板張りだし、タイムスリップ感が尋常じゃない。どんどん山の中に入っていきます。
30分ほど神野寺に到着します。12時ちょうどでした。
バスから降りると、強烈な日差しでクラクラします。寺の前にある売店で水とポカリを買いました。
スタート地点はここから1kmほど行った白鳥神社です。白鳥神社まで行って、また神野寺の前を通り、マザー牧場の近くから山へ入っていきます。
途中、こんなガソリンスタンドの廃墟があったり、
「なんだこれ?」っていう感じの看板があったりして、
そんなこんなで、徐々に人気のない林道に入っていきます。
こんなところも通るけど、これって絶対人通ってないですよね・・・
( ´ Д`) 道が見えない・・・
不安感は募りますが、進むしかない。
とにかく静かです。ほんとに人の気配がしません。
真夏の日差しが照り付け、セミも鳴いていますが、逆にそれが静けさを倍増させているみたい。
だんだんと、神奈川のふれあいの道との違いを実感し始めます。
と、ちょっと心細くなったところに、
出ましたよ・・
トンネル。
ぼくは、以前トンネルで不審者に追いかけられるという恐怖体験をしたこともあり、トンネルが苦手なんですよね。
まあ、向こうが見えてるし、何のことはないトンネルなんですが、人っ気のない静かな林道で、これが出てくるとドキドキします。
もう、全速力で通過します!
低い山なんですけどね、えらく山奥の感じがします。
ほんとに、誰とも会わない。というか、気配がしない。
ほんとに静かです。
と思ったら、
また出た・・・
再び、全速力で駆け抜けます。
100m走のスピードです。そして、こんな不必要なダッシュを繰り返したことで、体力が徐々に奪われていったのでした・・・
お次は竹やぶが現れました。
道がよく分からない・・・
ちょっと眠ります、高宕山
そんなこんなで、石射太郎(いしいたろう)山のあたりまで登ったころには、ずいぶん疲れてしまいました。
変わった名前の山ですが、山頂にあった説明板によると、鹿野山から巨人が弓を射るとデカい石に当たったらしいです。で、「石、射ただろう」と言ったのでこの名前になったとのこと。
そんなダジャレのような山のせいか、ちょっと頭がぼんやりしてきました。
すごく汗が出るし、なんだか力が入らない感じ。
低山なので、とにかく暑いです。
石射太郎山では、とうとう横になって休みました。20分ほど。
「とにかく眠い!」
バテるのと反比例して、山はどんどん深くなっていきます。
なんだか秘境感があるんですよね。
低山ゆえに人があまり来ないのか、道も荒れています。
でも、高宕山というところまでいけば、観音さまがあるらしいし、ということは寺があって、「ちょっとは人の気配もあるんだろうなー、もしかしたら、冷たい水でも飲めるかもなー」などと期待して進みます。
でも、こんな淡い期待が裏切られたこと、前にもありましたね。
⇩その時の旅はこちら
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で、到着しましたよ、高宕観音。
(;゚Д゚) ううっ・・・
あるのは、岩壁と寂れたお堂。
もちろん、誰もいません。
いわれによると、行基や源頼朝ゆかりの観音で、「訪れる人が絶えなかった」と書いてあるんですが、かなり人の気配が絶えてます・・・
行き止まりかな、と思ったら、岩壁をくりぬいて道が伸びてます。
まあ、人影こそありませんが、なかなか素敵な観音様です。
ここもまた、すざまじいばかりの秘境テイストです。
岩壁に穿たれたトンネルをくぐり、さらに少し登ると、高宕山の頂上に出ました。
短いですが結構急な登りです。鎖も使います。
そしてこの登りで、とうとう最後の力が尽きてしまいます。
標高300mに死す・・・
眠気がどうにも我慢できなくなって、頂上で靴と靴下、Tシャツを脱いで眠ってしまいます。この段階で16時をだいぶ過ぎていたような気がします。
この先も山道が続くので、急いだ方がいいんですが、もう目玉が勝手にぐりーんと上に向いてしまう状態で、転がり落ちるように眠ってしまいました。
写真は山頂からの写真ですが、標高300mとは思えないほど高度感あります。
苦あれば楽あり、幸せのビバーク
30分ぐらい、眠っていたかもしれません。
相変わらず、静かです。もちろん、人の気配もありません。
夏なので、まだ暗くなるには時間がありますが、まだ下山道も2kmほどあるし、少し急いだ方がいいかと思いました。
あと、急ぐ理由がもう一つありました。
それは、本日ビバークするキャンプ場に、千葉に住む友人が遊びに来てくれることになっていたからです。
これは本当にうれしかったですね。
ふれあいの道、といいながら、あまり人とも出会わなかったし。
下山する途中も、まだバテが残っていて、途中で15分ぐらい横になったりしていましたが、それでも何とか陽が沈む前に人里まで降りてくることができました。
あとは、キャンプ場に向かって急ぎます。
日が暮れてくると、暑さも少しは和らいで、楽になってきました。
オートキャンプ場なので、サイトが大きいです。
とりあえず、暗くなる前にツェルトを立てることができました。
この後、キャンプ場のシャワーを使って汗を流して、友達の到着を待ちました。
あまりに楽しくて、写真を撮るのを忘れてしまったのは残念。
真っ暗な中、よく星が見えました。
次回は、この次の日、再び千葉の秘境を旅したことについて書きますね。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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ではでは。
(= ´ ω ` )ノ
次回の旅はコチラ⤵
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さよなら神奈川! 岩礁のみち
こんにちは、りゅうぞうです。
前回は、葉山から三崎口駅まで三浦半島を南下しました。奇岩や洞窟がたくさんある荒磯のルートは、冒険心を掻き立てる素敵なトレイルでした。
⇩前回の旅はこちら
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今回は油壷から三崎港、剱崎と三浦半島の再南端を回りますよ。前回に引き続き、普段はあまり経験することのない岩礁のトレイルを進みます。
さて、いつもの全体図です。
(= ・Д・)ノ おおっ!
3ヶ月にわたり旅してきた神奈川も、いよいよ終了だ!
これはやっぱり、うれしい!
細部のルートです。
京急三崎口駅からバスに乗って、「油壷・入江のみち」のスタート地点となる油壷バス停へ行きます。
そこからは海岸沿いの道を通って三崎港まで。
まぐろが食べたいので、ここでお昼にする予定です。
三崎港から神奈川編最後のルートとなる「三浦・岩礁のみち」のスタート地点までは2kmほど離れていますが走って移動することにします。
ここからが、前回にも負けない岩場ルートが続きます。楽しみだ!
今回の総距離は15kmぐらい。これまでで一番短いかな。ゆっくり楽しむつもりです。
というわけで、すっかり春めいてきた2015年3月29日に出発しました。
まぐろがうまいぞ 三崎港
さて、油壷バス停です。10時前に到着しました。
バス停のところに桜が咲いてますね。春特有の、のんびりした雰囲気が溢れています。
ここから「油壷・入江のみち」のゴールとなる三崎港までは3.4kmしかありません。神奈川県のふれあいの道最短のルートです。
ゆっくり行きましょう。
バス停にあった売店で、水を買います。
かわいいおばあちゃんが店番してました。
水着も売ってます。「水着ぎ」と書いてあるのはご愛敬です。
バス停から、海のほうへと下っていくと、ヨットハーバーがあります。
その隣には、古びた船小屋。
なんだか外国みたいですね。
と思ってたら、本当に海外でした。
「かいと」と読むみたい。
まあ、本当にどうでもいいことなんですが、旅をしていると、こういったどうでもいいことがすごく楽しかったりしますよね。
こんな感じで、海沿いを歩いたり走ったりしていると、すぐに到着しました。
三崎港です。
ここは前に、家族でまぐろを食べに来たんですよね。
うまかったです。
その記憶が再びよみがえってくる!
今回は、「安くてうまい」をテーマに、お店を探してみます。
路地裏のほうも探してみます。
しかしどれも、いいお値段するんですよね。あと、結構客が並んでたりする。準備中の店も多いです。
そんな中で、ようやく、安くて、並んでなくて、トレランザックを背負って一人で入っても違和感ないような店を見つけました。
入ってみると、おやじ店主が一人で調理と会計と片づけをやってました。
「そこどうぞ」と言われたテーブルは、前の客の皿がまだ残っています。
座ってみると、なんだかテーブルがべとつくのが気になる・・・
やっちまったか・・・と思いつつ、まぐろシラス丼とまぐろ竜田揚げを注文。
もちろんシラスは江の島の旅の時の記憶が残っていたからです。
⇩シラス丼の話はこちら
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いやいや、うまかったです!
( * ´ ω`*) おやじ疑ってゴメンね
食べてる途中に、おばさんが二人やってきて、わいわい言いながら店の片づけや会計を始めました。おやじはようやく厨房に専念できるようです。
千畳敷・盗人狩から剱崎へ 岩礁のみち
お腹もいっぱいになったところで、いよいよ神奈川編最後のトレイルに向かいます。
実は三崎港から次のコースのスタート地点である宮川町バス停までをつなぐバスはなく、いちど三崎口駅まで戻ってバスを乗り換えることになってしまいます。
たいした距離でもないので走って移動します。
11時20分にまぐろの店を出て、11時45分には宮川町バス停に到着しました。
バス停から海に下る道を降りていくと、すぐに岩礁への入り口となります。
わくわくしながら入っていきます。
前回の「荒磯・潮騒のみち」も奇岩がいっぱいでしたが、今回はさらにスケールが大きくなった感じです。岩のねじれ方や荒々しさも激しい気がしました。
コンクリートの歩道はすぐに終わり、岩の上を歩きます。
岩を削った階段を上ると、見えてきました。
千畳敷です!
(;゚Д゚) 広い!
まるで岩の波が打ち寄せているかのようです。
そのなかに道標が立っている光景も、非日常的で何とも言えません。
誰もいないことをいいことに、
「うわー」と大声を出して走ってみました。
気持ちよかったなぁ。
千畳敷を抜けると、次は盗人狩という切り立った崖に囲まれた入江に出ます。
いわくありげな名前ですが、昔、盗賊が追われてここまで逃げると、あまりの断崖に足がすくんで動けなくなり、たやすく捕らえられたことにちなむそうです。
写真が下手で、あまり険しさが伝わらなくて残念。
まだまだ岩礁は続きます。
川のように岩場を横断する海水を飛び越えたり、
アスレチックみたいな道の上を渡ったり。
このルートも、ただ歩いているだけで楽しいです。
楽しいこともさることながら、こうやって誰もいない岩場を一人旅していると、大げさな言い方ですが、この世に自分と、海しかいないような気持ちになってきます。
海が擬人化されてきて、二人きりで対話をしているような感じです。
ただそこに、むき出しの海があって、そのそばにぼくがいる。ただそれだけ。
ぼくの大好きな小説、ル・クレジオの「海を見たことがなかった少年」のなかに、皆が話題にしている海とは、実は海のことではなく、海水浴、ダイビング、砂浜、日差しといったものだ、というくだりがあります。
ぼくは何となく、この一節を思い出しながら、岩礁を進んでいきました。
しばらく行くと、海岸から離れて台の上に登り、道路に出ます。
菜の花がきれいですね。
この道路沿いに行くと、再び海のほうへ下る道となります。
すこし波が荒くなってきました。
ほんの少しですが、ぽつりと雨粒が落ちてきた。
少し急ぎましょう。剱崎はもうすぐです。
ここで岩礁のトレイルは終わりです。
名残惜しいけど、神奈川の海もこれで終わり。
漁港では、ぽつりぽつりと降る春雨の中、少年が船の舳先の下で絵を描いていました。
なぜだかすごく、心に残る光景でした。
台の上に登ると、一面のキャベツ畑です。
その向こうの海を、貨物船でしょうか、大きな船が、ゆっくり、ゆっくり横切っていきます。
どこか、遠い外国からやって来たのでしょうか。
それとも、長い航海を終えて、帰って来たのでしょうか。
これもまた、旅の終わりにふさわしい風景でした。
さよなら、神奈川!
さて、これでクリスマス・イブから始まり3ヶ月に渡った神奈川編も終了です。
合計15ルート、約160km(?)を計5回、延べ6日間かかりました。
とすると、1日の行程は30km弱ぐらいかな。
まあ、遅いですね。
それでも、関東ふれあいの道一周を始めるときに立てた「旅をする」ということは、できたんじゃないかと思います。
始めるにあたって、考えたことは下の引用の通りです。
ぼくは、この一周を一つの長い旅として、目的を持って行い、何かを得て終わりたいと思いました。そしてできれば、そこで得たものを自分の人生に役立てたり、人に伝えたりしたいと思いました。 旅のもうひとつのイメージとしては「競うものでもないし、比較するものでもない」ということです。 だから、何日以内に一周しようとか、誰かよりも長い距離を踏破しようとか、そういうことは度外視しようと思いました。美しい景色では立ち止まり、多くのものを見て、人と話すときはゆっくりと、そんなふうに続けたいと思ったのです。
どうやって一周しよう? - ロングトレイルの旅 関東ふれあいの道一周
これが何となくできたような気がしたことで、手探りというか、行き当たりばったりに始めた「関東ふれあいの道一周」でも、どうやらこんな形で、最後まで旅ができるんじゃないかという気もしてきました。
ゆっくりだけど、旅を続けてみよう。
そう思えた、神奈川編でした。
ということで、次はいよいよ千葉編に突入します!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回も読んでいただけると、とても嬉しいです。
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では、また。
(= ´ ω `)ノ
新たにはじまる「驚愕の千葉編」はこちら⤵
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荒磯と冒険のトレイル 三浦半島
(写真:「荒磯・潮騒のみち」に立つ道標)
こんにちは、りゅうぞうです。
前回は砂浜沿いに鎌倉まで進みました。
前回の旅はコチラ⤵
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今回は、三浦半島を南下し、荒々しい岩場沿いに進む旅です。
いつもの全体図です。
赤はこれまでに走ったルート。青が今回のルートです。
いよいよ神奈川も終盤に差し掛かってきました。
そろそろ、東京湾を挟んで、やけにルートが長い対岸の県が気になってきますが、気にしない、気にしない・・・
今回はコースで17.8km、駅までの移動などを含んでも20km弱です。
JR逗子駅からバスに乗って一色海岸バス停まで移動。ここから4km少々海岸沿いの道路を進み、その後、三浦半島を一望する大楠山を往復します。これが「佐島・大楠山のみち」です。
次のスタート地点とはルートが連結されていないので、バスで移動。高等工科学校前バス停で下車し「荒崎・潮騒のみち」に入ります。
このルートは漁港を抜けて荒崎公園へ向かったのち、波しぶきがかかるような岩礁を南下していきます。最後はそのまま内陸に入り、矢作入口バス停でゴール。時間の余裕があったので、そのまま京急の三崎口駅まで走って移動しました。
今回の楽しみは、何と言っても今まで経験したことのない岩場のトレイルです。
そんなわけで、2015年の2月28日に出発しました。
葉山から大楠山へ 春の訪れ
逗子駅には10時に到着しました。
今回も快晴です。
ここから、スタート地点の一色海岸バス停へ。バスに乗って15分ほどです。
走り始めるとすぐに、海側に立派なお屋敷があります。葉山御用邸です。
道沿いには豪邸も多いですね。県道207号線沿いをザックを背負って走っていると、すごく場違いな感じもします。ちょっと先を急ぎます。
すぐに長者ヶ﨑に着きました。
2月の末ですが、春の気配が漂う陽気です。走ってみるとすぐに暑くなりました。ここで上着を脱ぎます。
ここからさらに3kmほど舗装道行くと、大楠山へと続く曲がり角に出ます。
大楠山は、標高250mほどの里山です。
入ってみると、予想を裏切る素敵なトレイルがありました。急な登りもないし、いいハイキングコースです。
山頂から鎌倉方向を眺めます。
前回走った湘南海岸が見えますね。そしてその奥には丹沢の山すそが。
こうやって見ると、ずいぶん遠くから旅してきたような気がします。そういえば、去年のクリスマス・イブに旅を開始したけど、もう春を感じる季節です。
そんなことを考えながら山を下っていると、見つけました。
ピンクの梅の花と、黄色い菜の花が、青い海を背景にして咲いています。やっぱり、もう春ですね。
( * ´ Д`) キレイだ・・・
枯れて死んだようになっていた草木から、色彩が溢れ出て、命がほとばしります。
何度見ても、ぼくには、この再生のプロセスが不思議に思えるし、素晴らしいものに感じます。
極地や赤道のような地方でも、四季とは違うかもしれないけれど、やはり何らかの季節の移り変わりがあって、その土地なりの生命の循環が存在しています。
この循環の中に生きているからこそ、栄枯盛衰のリズムがぼくたちの心の中に根付いているし、過去を整理し未来へ向かうメンタリティが形成されているのではないかとも思ったりします。
荒磯と崖、岩洞で冒険気分
さて、大楠山を下るとバス停に出ます。ここで「佐島・大楠山のみち」は終わりです。
ここから次の「荒磯・潮騒のみち」のスタートとなる高等工科学校前までは、少し距離があるのでバスで移動しました。
12時45分にスタート。この付近は、少し道標が曖昧で正確な道がわかりにくいですが、とにかく海岸線沿いに進みます。
しばらく進むと、荒崎漁港に出ました。
静かで素朴な雰囲気です。ワカメ(?)がずらりと干してありました。
海沿いの道を行き、小さな入り江を3つか4つほど過ぎると、このルートの撮影ポイントである荒崎公園へ到着しました。
13時30分でした。
ここからも海沿いに同じような舗装道が続くのかと思っていたら、どうやら崖の下へ向かうみたい。
いよいよ、岩礁沿いのトレイルのはじまりです。
岩場で親子連れが楽しそうに遊んでいました。
だんだんと、磯が荒々しい地形になってきます。
磯は洗濯板状に横走する岩の床になっていて、崖の下に遊歩道が設置されています。
遊歩道はコンクリートで道が作られているところもあるし、何も人工物がないところもあります。
時には、こんな洞穴を抜けて行ったりします。
(= ´ ∀ ` )ノ 楽しい!!
正直、かなり楽しいルートです。
なんだか冒険しているみたいで、ワクワクして進みます。
弁天島という小島が見えてきました。
ほとんど人に会いません。そういえば、岩礁に入ってからは誰とも会っていません。
まさに独り占めですね。
と思ったら、向こうからザックを背負った女性が歩いてきました。
すれ違いざまに、おたがいニヤリと笑います。
きっと、同じこと考えていたんでしょうね。
前回までの、砂浜を旅するというのもすばらしかったですが、こうやって岩礁のトレイルを歩くというのもまた、これまで経験したことのない楽しさがあります。
磯の香りというんでしょうか、砂浜とはまた違った、野性味のある香りが満ちています。その中で洞穴に入ったり、岩伝いに進んだりしていると、なんだか子供のころの探検ごっこや秘密基地を思い出しますね。
大きな岩壁に沿って歩いていきます。
その向こうには、また岩のトンネルが見えています。
たまに、こんな感じのところもあります。
気をつけて進みましょう。
岩場のトレイルは、あまり足元がよくありません。なので、このルートは走ることはお勧めしません。ぼくはこの岩礁は全て歩きました。
いや、むしろ、この楽しい冒険が終わってしまうのがイヤで、わざとゆっくり歩いたり、立ち止まったり。通り抜けたトンネルを、もう一度逆方向からくぐったりしてましたね。
これもまた、スピードや距離を目標にしていたら、味わうことのできない楽しさなのかもしれません。
なんだか終わってほしくないな、このルート。
と、思っていたら、とうとう小さな浜に出てしまいました。
名残惜しいですが、磯の冒険も終わりです。
肩幅より細いような、急な階段を上って集落へと向かいます。
この時点で、14時過ぎぐらいでしたから、次のルートに行こうと思えば行くことができましたが、お腹も減ったのでここで終了にします。
三崎口の駅で、サザエを土産に買って、マグロメンチカツを食べました。
おいしかったです。
いよいよ、神奈川県のふれあいの道も、残り2ルートを残すばかりとなりました。
次回は三浦半島の先端部、油壷から三崎港、剱崎を旅します。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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ではでは。
(= ´ ω ` )ノ
次回の旅はコチラ⤵
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湘南海岸から鎌倉へ 浜辺をゆく
(写真:「湘南海岸・砂浜のみち」と富士山)
こんにちは、りゅうぞうです。
前回は、大山を抜け、大磯の海に出ました。山に海と、変化に富む神奈川県の魅力を体感したところです。
前回の旅はこちら⤵
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今回は、湘南海岸の砂浜を東に走り、鎌倉までの旅です。
赤がこれまでに走ったルート。青が今回のルートです。
もしかして、神奈川はあと半分ぐらい?
今回のルートは、全て海沿いです。
距離はコースまでの移動を含めて18kmくらい。日帰りです。
映画や、歌などでいろいろ有名なところですね。実は鎌倉と江の島ぐらいしか行ったことがないので、かなりワクワクしてます。
時間の余裕もあるし、鎌倉で観光できるかも。
シラス丼も食べたい・・・
ということで、2015年の2月1日に出発しました。
砂浜を走って江の島へ
JR茅ヶ崎駅からバスに乗り、浜見平団地バス停で降ります。ここからスタート地点まで1km弱ほどあります。
海が近づいてくると、防風林が見えてきます。
防風林の間の坂を登っていくと、目の前にキラキラと輝く海が現れてきました。
まるで映画のようです。
もう、これだけで、今日は何かいいことあるような気がします。
( * ´ ω`* ) わくわく
スタート地点の柳島海岸です。
11時30分に出発しました。
まるで太平洋を覗きこむかのように、富士山が身を乗り出しているようです。
波は白く砕けて、富士山の雪の白さと競っているようにも見えました。
絵にかいたような風景ですよね。
この日は快晴で、2月にしては日差しも強く、海辺をゆくには最高の天気でした。
コースは正確には浜辺ではなく、その脇のサイクリング・ロードらしいのですが、この開放感がたまらなくて波打ち際を走ります。
浜には、ほとんど人もいません。
濡れた砂は、適度に締まって、走りやすいです。
時々大波がやってくると、さわやかな音を立てて、海水が足元までやってきます。
それをよけながら進むのが楽しい!
江の島が近づいてきました。
波の音が耳に心地よいです。
いままで、砂浜を走るってスポ根のイメージしかなかったけど、こんなに楽しく走れるなんて新たな発見です。
シラス丼と、まだ見ぬ名所めぐり
江の島には12時40分に到着しました。
お昼ご飯にします。
もちろんシラス丼にしました。実は初めて食べるんですよね。
生と茹でのハーフ&ハーフです。
Σ (* ´Д`) うまい!
特に、生シラスがうまかったです。家でも食べたいなあ。近所のスーパーでは生シラスって売ってないのかな。
シラス丼がうまかったので、幸せ気分で店を出ます。
冬だけど、南国の雰囲気ですね。
ここからゴールの鎌倉由比が浜までは6kmぐらいです。
江の島からは、しばらく歩道を進みます。
この景色、見たことあるなあ。映画で見たのかな。
始めて訪れた場所ですが、記憶があるって不思議な感じです。
稲村ヶ崎につきました。
振り返ると富士山と江の島です。きれいだなあ。
ここも、よく名前は知っていたけど、来たのは初めてです。
もちろん、稲村ケ崎の名前は、あの映画と歌で知ったんですよ。もう二十年以上前かな。 まさか、関東一周の途中で訪れるなんて、夢にも思わなかった。
いよいよ、今回の短い旅も終わりです。
由比ヶ浜の滑川河口まで到着しました。
海が燃えるように輝いています。
そのまばゆい光の中で、子どもたちや、恋人たちや、老人が、歩いたりはしゃいだりしていました。
それは、どこにでもあるような見慣れた光景でしたが、とても心惹かれる光景でもありました。
たぶん、旅で見る光景のほとんどは、このように見慣れた、どこにでもあるようなものです。しかし、旅の道中で見る光景は、そのほとんどが行き過ぎて、もう二度と見ることがありません。
だからこそ、全ての光景が美しく感じるし、全ての瞬間が深く記憶に残るのかもしれません。
ぼくは、しばらくこの光る海を見ていました。
海の向こうには、次の道が続いている三浦半島が黒々と姿を見せていました。
ではまた。
(= ´ ω ` )ノ
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旅で出会ったネコやイヌやヒツジたち
こんにちは、りゅうぞうです。
今回は、ちょっと気分を変えて、旅で出会った動物たちの話です。
ぼくは子供のころ、ネコを11匹、イヌを1匹、ハトを1羽飼ってました。まあ、ぼくが1人で飼っていたわけじゃなくて、もちろん家族で飼っていたんですけど。
小学校から帰ると、夕方までイヌ小屋に入ってイヌと遊んでました。
毛だらけになるから、母は怒ってましたね。
ネコは、飼っていたというより、いつしか野良ネコが家に集まってきて、何となく彼らの共通のねぐらに利用されていた感はあるんですが、まあ、みな可愛かったですね。
冬なんかは布団の中に5~6匹入ってきます。夜中トイレに行く時は、彼らを起こさないように気を使って、そーっと抜け出た思い出があります。
胸に乗られると、遠慮して、ネコが目覚めて立ち去るまで、そのまま尿意を我慢してました。
ネコ・ファーストです。
( * ´ω`* ) ハァ・・・
今も、ネコやイヌを見ると、思わず
(*´Д`)ハァハァ
と、なります。
まあ、「ふれあいの道」でふれあう対象には、彼らも含まれるというように解釈をしまして、ほとんど情報としての価値はゼロですが、何枚か写真をご紹介しますね。
くつした君です。
彼は千葉県の「御宿海岸を歩くみち」で見かけました。
小さな漁村があって、入江を取り囲むように山がせり出していました。そこを登っていく迷路のような階段の途中で、ぼくの前を悠然と横切っていきました。
足をけがしていたのかもしれません。
この漁村はネコがたくさんいました。
港のほうでは、ネコ家族がぼくを見つめていました。
みんな模様が一緒なので、すぐに親子と分かります。やはり、一番のチビがお母さんのすぐそばにいますね。お母さん美人です。
これは、千葉県の「桜をめでるみち」にある雄蛇ヶ池のほとりにいた親子(?)です。
この二人も美猫ですね。
千葉はサバトラ率高いな。
雄蛇ヶ池は心霊スポットで有名ですが、ネコスポットでもあるのでは?
至る所でネコの姿を見ました。この2匹は、他に4~5匹のネコたちと一緒にいました。近所のおばさんとおじさんにエサをもらってました。地域ネコなんでしょうね。
ミケさんです。
千葉の「埴輪と遊ぶみち」の路上にいました。
こちらが呼ぶまでもなく、ニャーニャー言って近づいてきました。あまりに無防備で心配になるくらい。いつまでもついてくるので、なかなか別れられない。
ワンコもいます。
彼は、茨城県の「水の恵みと水田地帯のみち」で出会いました。
どこか寂し気な風情ですね。なぜだか、1kmぐらいぼくと一緒に道を走ってくれた。
旅の相棒にしたかったけど、それは無理なので、途中で別れました。
オオカミ君です。
彼は千葉県の「山里のみち」で、突然背後からぼくを追いかけてきました。
やられるかと思いました。
クロちゃんです。
印旛沼のキャンプ場でバーベキューをしてたらやってきました。
もう、要求に貫禄があります。
「はやくよこせ」って雰囲気がビシビシ伝わってきます。
でも、口にごはん粒ついてるぞ。
これはかなりビックリしました。
突然、イヌの顔した人が現れましたからね。
肩乗り犬とは・・・
最後はこれ。
神奈川県の「弘法大師と丹沢のみち」弘法山のふもとにある「めんようの里」で飼われているヒツジたちです。
⇩このコースの記事はこちら
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みんなの人気者ですね。
モフモフして、かわいいです
しかし、
ここで、ジンギスカンとラムしゃぶをやっているという衝撃の事実。
(;゚Д゚) ヒツジさん・・・
いかがでしたでしょうか。
今回は、ちょっと寄り道してみました。
次回はまた、関東ふれあいの道一周の旅に戻りますね。
ではまた。
(= ´ ω ` )ノ
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大山から大磯へ 神奈川の魅力
(写真:「大磯・高麗山のみち」海辺で遊ぶ親子)
こんにちは。りゅうぞうです。
前回は、第1回目の旅について書きました。大山(おおやま)を越える予定が、いろいろあって途中の日向(ひなた)薬師で断念。
前回の旅はこちら⇓
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今回は日向薬師から改めてスタートです。
果たして、無事に海まで行けるのか?
山と海をつなぐ4ルート
赤は前回通ったルート。青が今回のルートです。
うーん。この図を見るたびに思うけど、先は長い・・・
前回は、途中でビバークをしましたが、今回は日帰りで計画。正月休み明けの2015年1月18日に行きました。
ルートの細部はこんな感じです。
まずは、日向薬師バス停から出発です。そこから大山の阿夫利神社(下社)から山を下ります。これが前回行けなかった「大山参り蓑毛のみち」。
そこから住宅地をぬけて弘法山に登り、南平橋バス停で終わる「弘法大師と丹沢へのみち」を走ります。(地図①のルート)
次はいよいよ海に到達します。
南平橋バス停から、鷹取山を経て大磯の月京バス停までが「鷹取山・里のみち」。そして連結区間を挟んで、いよいよ海岸沿いを走り、湘南平から高麗山に登って再び海へむかう「大磯・高麗山のみち」。(地図②のルート)
JR大磯駅の近くにある西海岸バス停が、今回の旅のゴールです。
コース合計で33.8km、連結区間を含めると40km弱ぐらいかな。
今回は、山を下って街に降りていくコースなので、トレイルは少なそうです。
さよなら山の神奈川
前回、お腹が減って休憩した露台もそのままです。
あの日は雪も降ったよなぁ・・・。
でも今日は、奥さんにおにぎりも作ってもらったし、天気も最高です。
まだ8時過ぎなので、お店は開いていないです。自販機で水とポカリを買って、出発!
何と言っても、2回目のみちなので自信たっぷりです。どんどん舗装道を登っていきます。そして、前回ニジマスの塩焼きを食べたクアハウス山小屋を少し過ぎたところで、発見しました!
道標だ! わかりますか?
たしかに、左手のコンクリートの切れるあたりに道標が立ってますね。登山道の入り口もハッキリわかります。
うわー、何でこれを見逃したんだろう。道が右手に延びているから、そっちのほうを見てたのかな。
もちろん、正しいルートに入っていきます。
丸太橋を渡り、
さらに登っていくと、前回、間違えて進んだ林道と交差します。
ここです。
で、このまま林道を横切り、階段から再び登山道を登っていきます。
(= ´ ω ` )ノ 調子いいぞ!
登っていくと、大山が見えてきました。
汗でカメラのレンズが曇ってますね。天気がいいこともあって、結構暑いです。
今回のルートは大山の山頂ではなく、二重の滝から下社のほうに向かうので、ぼくはここから下りの道に入っていきます。
二重の滝にかかる橋を渡ります。
ちなみに二重の滝は予想していたより、ささやかな滝で、岩壁を這うように流れていました。
ここから登り基調ですが、写真で見ても分かる通り緩やかです。誰もいないので気持ちよく走れます。
阿夫利神社のすぐそばで、おばあさん3人と出会います。
「滝まではきつい道ですか?」
と聞かれたので、額を流れる汗をぬぐいながら「全然ゆるいですよ」と答えますが、あまり説得力なかったでしょうね。
阿夫利神社の下社に到着しました。
2200年以上の歴史を誇る、関東総鎮護の霊山です。関東一周する身としては、しっかりと旅の安全をお参りしておきました。
阿夫利神社からのくだりは、ところどころ急なところもあります。
このままどんどん下って、ゴールの蓑毛バス停には11時に到着しました。
バス停からは1.5kmほどの連結区間を経て、次のルートに入っていきますが、市街地を通り抜けるので弘法山までは引き続き舗装道が続きます。
1220分に到着したので、この上のベンチに座りお昼にします。奥さんが作ってくれたおにぎりと卵焼きを取り出すと、ネコが一匹やってきました。
( * ´ ω`* ) カワイイ
きっと、みんなからご飯をもらってるんでしょうね。太っていて、人懐っこいです。
おにぎりをあげると、頭をすりつけてきます。
隣に座っている男性と代わり代わりにお昼ご飯を分けてあげました。
弘法山の隣にある権現山からは、富士山が目の前に見えます。
これでいよいよ、山地も終わりです。さよなら山の神奈川!
神奈川の魅力
権現山から目を南に転じると、もう海は手の届く距離にあります。はやる心を押さえつつ、山を下ります。ここからは再び市街地です。
次の「鷹取山・里のみち」も市街地の中を抜けていきます。鷹取山付近にはゴルフ場があり、それに沿って進んでいくと、山に登るはずなのに下っていきます。
どうやらまた道を間違えたようです。
戻ってみると、ゴルフ場の金網の脇に、裏山に登るかのような細くて地味な小道がある。どうやらここを行くみたいです。これはなかなか気づかない・・・
さびれた感じの細道を登っていくと、ほどなく鷹取神社に到着しました。ここまでくれば、もう大磯の海岸はすぐそこです。
海!
ようやく、海に出ました!
ユーラシア大陸最西端の、ポルトガルのロカ岬には「ここに地終わり、海始まる」というルイス・デ・カモンイスの詩編が刻まれているそうです。
大げさですが、その時、この句を思い出したのです。
波打ち際に手を浸し、少し海の水を口に含んでみました。
潮の味がしました。それは、これまで通って来た山や里にはない香りでした。
目の前には太平洋が広がっていました。それこそ有り余る空間でした。だだっ広くて、それでいて豊かな空間。さえぎるものなく世界中のあらゆる場所と繋がっていて、どこまでも遠くに連なっている空間。
陸地とはまた、全く異なる開放感が満ち溢れていました。海は、山とはまた違った種類の冒険心を掻き立てます。
山から海に向かって走り続けてみると、それがよくわかります。
今まで、何度も海水浴や、ドライブや、身体を焼くために海に行きましたが、それとは全く異なる海が、目の前には広がっていました。
ぼくはとても爽快な気持ちで、砂浜の上を走りました。
砂浜を走り続けていると、やがて内陸へルートは折れ、東海道の松並木を通り、再び山のほうへ向かい、テレビ塔の立つ湘南平に到着します。
ここは公園になっていて、多くの人々が散策しています。写真にも仲の良い老若二組のカップルが歩いていますね。
いよいよ今回の旅も最後です。湘南平を東へ進み、高麗山へ向かいます。
大磯駅から湘南平までが整備された道だったのに対し、湘南平から高麗山は短いながらワイルドなトレイルです。むき出しの岩や、細尾根が続き、飽きさせません。
地元トレイルランナーの格好の練習場らしく、3・4人のランナーとすれ違います。
高麗山は高島平とは全く雰囲気が異なり、神社がぽつりと建つ薄暗い山頂でした。ここから南へつづら折りの急坂を下り、花水川に沿って走ると、本日のゴールである西海岸バス停に到着しました。17時05分でした。
しかし、何と変化に富んだ道だったでしょうか。
丹沢東端のシングルトレイルから、里山を抜け、砂浜を走り、最後の高麗山と、たった40km弱の間に、山があり、海があり、街がありました。
ぼくは関西で育ったので、神奈川と言えば横浜のイメージしかなかったのですが、高尾山から海まで走ってみて、そのイメージがいかに貧しいかを実感しました。そして一日で行動できる範囲の中に、さらに言えば、交通アクセスがこれほど良い環境の中に、これほどのバリエーションある景色が詰め込まれているのです。
神奈川県の知られざる魅力ですね。目からウロコです神奈川県!
自分の足で、歩いて、走ってみると、その魅力を実感できます。
次は、湘南海岸から鎌倉に向かいます。
ではまた。
(= ´ ω ` )ノ
次回の旅はこちら⇓
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仏果山、巡礼峠、海までは遠い・・・
(写真:神奈川県「丹沢山塊東辺のみち」仏果山山頂の夜景)
こんにちは、りゅうぞうです。
前回は、いよいよ関東ふれあいの道一周がスタートしたところでした。
京王高尾山口から神奈川の5コースを進む計画を立て、「もしかしたら、海まで行っちゃうかもなー」などと考えてましたね。お気楽でした・・・。
最初の「峰の薬師へのみち」までは、寝坊で出発が1時間遅れたものの、順調に進んでます。いい感じだ!
(*´ω`*)
気持ちのいい山里をゆく
峰の薬師から下ると、津久井湖沿いの道路に出ます。
次の「山里から津久井湖へのみち」(ぼくは逆向けに進んでいるので、「津久井湖から山里に向けてのみち」になってる。)に向けて出発すると、すぐに城山ダムに出ます。
「うわー、こんなところにダムがあるんだ!」と興奮して、しばらく写真を撮ったり、周辺をうろうろしたり。結構時間を使ったのち、この上にある城山公園へ。城山公園はこのコースの撮影ポイントに指定されています。
関東ふれあいの道は、どのコースにも撮影ポイントというのが指定されていて、その場所で自撮りをしておくと、あとでコース踏破証をもらうことができます。
城山公園は昔の城跡ですから、公園と言いつつもちょっとした山です。奥に入れば短いですがアップダウンのあるトレイルになってます。城の構造が残っていて、敵を防ぐために道が削られていたり、堀が作られていたりして、結構楽しい。
城山公園を下ると、のどかな里に出ます。
太陽が出て暖かくなってきた。
春になると、桜や草花がきれいなんだろうなー。
こんな感じのトレイルを抜け、住宅地に出ます。その後、また山へ。目指すは雨乞山という里山です。
程よいアップダウンで、広々として気持ちのいいトレイルです。
雨乞山の山頂で数人のマウンテンバイカーと会ったので、しばしおしゃべり。確かにこの道はMTBで走ったら楽しいだろうな。
山を下ると、このコースのゴールとなる韮尾根バス停に到着しました。13時45分でした。ここでザックを下ろし、お昼ご飯のパンを食べることにします。
のんびりしすぎたツケが・・・
この次の「丹沢山塊東辺のみち」は山の中に入っていくコースで、あまり人家や集落はないようです。
スタートが遅れたり、写真を撮ったり、おしゃべりしたりして、ずいぶん時間を使ってしまいました。
12月ですから、16時過ぎには暗くなりはじめ、17時前には真っ暗になってしまいます。そうすると、キャンプ場に明るいうちに着くには、あと2時間半ぐらい!
地図を見ると、次のコースは11.3Km、所要時間3時間45分です。標高747mの仏果山も登るから、所要時間の6割で走っても、2時間15分ぐらいかかる。
さらに、ここから次のコースまでは、コース外の連結区間が2kmくらいあるので、それを含むと2時間半ぐらいかかる。
Σ( ゚Д゚ ) うわっ、ギリギリだ!
というわけで、あわてて出発。連結区間の国道412号線を南に。
ここはコース外の区間なので、標識は設置されていません。見当をつけて1kmぐらい国道を走り、それからスタート地点に向かうため集落へ入っていきます。
・・・で、少し迷ってしまいます・・・。
さらにスタート地点到着後も、道を間違ってしまい、コースに復帰したのが15時ごろという痛恨のミス・・・。
この段階で、不安が忍び寄ってきます。
そうすると、なんだかあたりの風景まで寂しげに見えてくる・・・。
宿泊を予定していたキャンプ場に電話します。
「すいません、17時ごろにそちらへ着くんですけど、今日テント泊できるでしょうか?」
「え? 明日はこのキャンプ場休みなんで、これから閉めて帰るところなんですよ。すいませんね」
(((((( (;゚Д゚) )))))) ええっ!?
クリスマスイブに、この年最大の衝撃・・・
まあ、事前に予約や連絡をしていなかったぼくがバカでした。
結局、なんとか別の場所でビバークをしたのですが、計画はしっかり立てておく必要がありました。反省です。
とりあえず仏果山の山頂には登ってみました。すぐに真っ暗になりました。
「仏果」という名前は、昔この山で修行した仏果禅師にちなむのですが、闇の中にいると、「仏が果てる」なんてことを連想・・・
それでも、厚木方向の夜景がきれいです。空気が冷たいからでしょうか、木々の間から覗く光の海は、ガラスの破片のように鋭く輝いています。
夜景を見ていると、心が落ち着いてきました。強い孤独感を感じますが、なぜだか寂しいものではなく、心地よい気持ちのするものでした。
真っ暗な中で立っていると、なんだか体が実態を失って、闇に解けていくような感じがしました。街はすぐそばだし、自宅だって数十キロしか離れていないのに、ずいぶん旅をしたような気にもなります。
旅の価値は、距離や困難の程度で左右されないことを再確認します。誰にでもできる旅だからといって、その価値は減ったりしません。
思いつき的に始めたところもある関東ふれあいの道一周ですが、最後までやりきろうと思った瞬間でした。
道はまだまだ遠い
そんなこんなで、なんとかその夜を、当初予定していたキャンプ場とは別の場所でしのぎ、仏果山山頂を朝8時に通過しました。
仏果山の南側の尾根を下っていきます。
修行の山だっただけあって、意外なほど急峻な痩せ尾根です。くさりを使って降りるような場所もあります。
街の近くに、こんなに野性味のあるトレイルがあるなんて知らなかった!
こんな山道を1kmほど下ると、舗装道に出ます。途中、自販機でコーラを買ったり、行動食を食べたりしながら、このコースの終点である坂尻バス停に到着しました。9時半でした。
ここから次の「巡礼峠へのみち」へは、またもやコース外の連絡区間です。3kmほど、特徴のないバス道を走ります。
スタート地点のバス停の前にコンビニがありますが閉まっている。お腹が減ってきましたが、しかたがないのでそのまま出発。
集落を5分ほど歩いて抜けると、トレイルに入ります。なかなかの急登です。空腹のせいか、力が出ない。
20分ほど登るとそのあとはアップダウンが繰り返す尾根道に。最後は長い下りを経て巡礼峠に到着、11時20分でした。
広々と開けた峠で、お地蔵さまが立ってます。むかし巡礼の親子が、ここで盗賊に殺されてしまい、慰霊のために建てられたそうです。
巡礼峠から日向(ひなた)薬師までは、よく整備された遊歩道です。
それにしてもお腹が減りました。日向薬師に着けば、門前町みたいなのがあって、店もいっぱい出てるんだろうなー。
「ダンゴでも食べるか―」なんて期待しながら山を下ります。
( ´・ω・ ) えっ?
参道を抜けてみると、門前町ではなくバス停があり、なかなか風情のあるお店がひとつあるばかり。
店のなかを見てみると、ネギの束が売っていました・・・。
お腹減ったなあ・・・。
店の露台で休ませてもらっているうちに、雲行きが怪しくなってきました。僅かですが雨がパラパラ降ってきます。これから向かう大山のほうは、暗い雲が山頂にかかっていました。心が折れそうになります。
それでも、13時に出発。山へと続く舗装道を進みます。
どんどん登っていくと、なんだか気になる場所を通過しました。
これは後で写真を撮ったんですが、実は右手の階段を上って登山道に入らなきゃならなかったんですね。
よく見ると、階段の入り口に道標が立ててありますよね。ガックリ・・・。
で、この舗装道をさらに数キロ走って行くと、
道が突然終了・・・
そして、
雪かな? あられかな?
なんか冷たいものが降ってきた。
林道からははるか向こうに海が見えるんですけどね。ここで、日向薬師に引き返すことを決めました。海までは遠いなあ・・・
帰りに「クアハウス山小屋」というすてきなレストラン&キャンプ場があったので、もうこれ以上の空腹に耐えきれず、入ることにします。
ニジマスの塩焼定食(湯どうふ付)。そしてビール。
心と体にしみわたります。
で、今回は日向薬師のバス停から帰ることにしました。
いろいろハプニングというか、失敗が多かったですね。でも、楽しかった。
次回は、再び日向薬師から海を目指します。
ではまた。
(= ´ ω ‵ )ノ
次回の旅はこちら⇓
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