「八甲田山死の彷徨」のこと
みなさん、こんにちは。
(´・ω・)
またまた、山にまつわる本の紹介をします。
前回は「黒部の山賊」の話をしましたが、今回は、新田次郎作「八甲田山死の彷徨」の話です。
「黒部の山賊」の話はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
「黒部の山賊」は愉快な話でしたが、「八甲田山」はそうではありません。
高倉健主演の映画で知っているという人も多いと思いますが、原作は映画とは比較にならない緊迫感と絶望感があります。
あらすじの簡単な紹介です。
日露戦争前のこと、厳寒時の戦闘に備え、陸軍の青森第5連隊と弘前第31連隊が冬の八甲田縦走訓練に挑みました。
少人数で案内人を付けた青森5連隊は無事縦走に成功しますが、210名で臨んだ弘前31連隊は悪天候の中、山中に彷徨して遭難し、なんと11名しか生存しなかったという、世界山岳史上でもまれにみる大惨事を起こしてしまうという話です。
小学校のころ、映画が封切りされていて、
「天は我を見放したー」というセリフがはやった記憶が。
この本が書く雪山の恐ろしさは、今になってもどこか心の中で引っかかっています。
特に、極限状態になった人の精神状態の描写は、鬼気迫るものがあります。
「雪の中に座り込んで、げらげら笑いだす者もいた。何ともわけのわからぬ奇声を発しながら、軍服を脱いで裸になる者もいた」
特にこの一節は、衝撃的でした。
また、沢に迷い込んだ残存者の一部が、「これより、駒込川を下って報告に行って参ります」と言って、川に飛び込んで凍死する場面がありました。
ここで恐ろしかったのは、周りでそれを見ていたほとんどの者たちが、「うまいことを考えついたものだ」と思っていて、その後さらに3人が続く描写です。
いかに極限状態が人間の思考を狂わせるか。
山に入れば、自分もそうなる可能性があるということを、ぼくは心のどこかで恐れています。
この本は、そういう意味で、山登りをする人の教科書でもあると思います。
恐ろしい話ばかりではなく、山の知恵のようなこともたくさん書いてあります。
厳寒時の携行食は、油紙に巻き、風呂敷に包んで肌に抱いておくこと。
喉が渇いても雪を食べてはならないこと。
水筒の水は七分目にしておくこと。
汗をかいてはならないこと。
磁石の針は凍って動かなくなること。
そして
「だいたい山というものは、優しい姿をした山ほど恐ろしいものだ」という言葉は、何にもまして、山で生きる知恵が込められているような気がします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
またいつか、「山の本、旅の本」について書きますね。
コチラの本もどうぞ⤵
それでは、
(*´ω`)ノ バイバイ
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大滝でゆらゆら わたらせ川にドボン
(写真:「大滝へのみち」けさがけ橋)
みなさん、こんにちは。
(= ´ ω`)ノ
前回は、草木湖を南下し不動滝へ、そして小中駅まで到着したところまでを書きました。
前回の旅はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
小中駅からは一旦「童謡のふるさとを尋ねるみち」から離れ、「大滝へのみち」へ。
この行程は、小中駅と大滝の往復になりますが、ルート設定されているのは大滝の手前3kmほどからで、それまでの4kmくらいは連絡区間です。
大滝までの往復を終え、小中駅に到着したところで、今回の旅は終了です。
大滝を目指して
さて、小中駅に到着したのは10時でした。
キャンプ場を出発したのが6時20分でしたから、4時間ぐらいたっています。
駅の近くに売店があったので、少し休憩することに。
なぜか、山に入るとコーラが飲みたくなる。
(普段は全然飲まないんですがね・・・)
10分ほど休憩し、さあ、出発!
日陰を一歩出ると、強烈な夏の日差しが・・・
ここから渓谷を離れ、山に登っていきます。
停留所があったので、バスの時間を確認してみると、
こんな感じだった。
( ´ Д`) 歩くしかないな・・・
ということで、ひたすら連絡区間を進みます。
なかなか遠い・・・
道の脇に、流れが急な川がありました。
なんか変だな、気付きませんか。
ジグザクに溝が掘られていて、まるでウォータースライダーみたいになってる。
そのギザギザに沿って、泡立つ急流が流れています。
なんでこうなってるんだろう。
誰か知ってる人教えて!
大滝まで「あと4km」の看板がありました。
もうちょっとだ頑張ろう。
小中駅を出発して1時間ほど。
小さな集落に出ました。
追付橋のバス停です。
大滝へ向かうバスはここが終点。ここから3km少々で大滝。
「大滝へのみち」は実はここが起点/終点になっています。
この先からは、だいぶ山深い風情が出てくる。
トンネルが見えてきた。
「大滝トンネル」です。
ここを抜けると、もう大滝のはず。
中はまるで、腸(!)のよう。
さあ、いよいよ大滝に到着です。
大滝と、けさがけ橋
トンネルを抜けると駐車場があり、きれいな川を渡ります。
そして、短い登山道を登ると、トンネルの先に何かが見える。
なんだろう。
ワクワクしながらトンネルを抜けると・・・
Σ(゚Д゚) ワッ!
すごい橋が架かっています!
なんと、急傾斜になってる!
これが、けさがけ橋です。
なんと、この吊り橋は、両岸が水平ではなく、一方がかなり低い位置にあり、そのせいですごい角度で斜めになっています。
最大斜度44度とのこと。
逆から見ると、こんなに急な登りになってる。
急なので、階段がついてます。
これは面白い吊り橋でした。
他にこんな吊り橋ってあるのかな。
とにかく、一見の価値ありですよ。
大滝を望む崖には、歩道が作られています。
岩の上には展望台も作られています。
大滝は、落差が96mもある、その名の通り大きな滝でした。
うーん、写真が下手すぎて、全然雄大さが伝わらないぞ。
滝を撮ると、いつもこんな感じになって悔しい。
やっぱり実物を見てもらいたいです。
けさがけ橋も、ぜひ歩いてもらいたいなぁ。
川でドボン 旅の終わり
さて、大滝でマイナスイオンを十分に浴びた後は、もと来た道を小中駅まで戻ります。
帰りの電車の時間が迫っていたので、ちょっと走って下りました。
で、小中駅に戻ってきたのが13時40分ごろ。
列車は14時10分に出発なので、少し時間があります。
ちょっと汗を流して涼みたい!
ということで、わたらせ川で水浴びをすることにしました。
(∩´∀`)∩
水が冷たくて、気持ちいい!
もちろん足だけじゃ物足りないので、泳ぎます。
緑に包まれた渓谷の中で、パンツ一丁で泳ぐと、「夏休み」って気持ちになる!
一日歩いたり走ったりした後に、冷たい川で遊ぶのは最高でした。
そうこうしているうちに、列車の時間が近づいてきた。
慌てて岸に上がり、着替えて駅へ急ぎます。
何とか間に合った。
ホームで列車を待ちます。
やがて、線路の向こうからガタゴトという音が聞こえてきました。
帰りの電車の中で、Hさんと二人で、今回の旅を振り返りながら乾杯
こうして、2017年7月31日から8月1日の2日間にわたる、群馬の旅は終わりました。
不思議な寝釈迦や賽の河原、キャンプ場での親切なおじさん、夜の焼肉、田舎風景に滝、川遊び。
子供の時の夏休みの冒険を思い出させるような、とても楽しい旅でした。
次回の旅はコチラ⤵
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また。
( ´ ∀`)ノ バイバイ
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草木湖、不動滝、美しい田舎風景
(写真:「童謡のふるさとを尋ねるみち」路傍のひまわり)
みなさん、こんにちは。
(^ω^)ノ
前回は、賽の河原からわたらせ渓谷に戻り、キャンプ場で一泊したところまで書きました。
キャンプ場のおじさんが親切で、バンガローに泊まらせてくれたり、風呂まで車で乗せて行ってくれたり。
その夜は、肉を焼いて楽しい時間を過ごしましたよ。
前回の旅はコチラ⤵
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今回は「草木湖をめぐるみち」沿いにわたらせ渓谷を南下し、不動滝まで約10km。
そこから「童謡のふるさとを尋ねるみち」に入り、小中駅から「大滝へのみち」へむかう旅のことを書きますね。
渓谷と草木湖
昨日は、たらふく飲んで食べて、きれいなバンガローにも泊まることができたので、元気いっぱいで目覚めました。
朝ごはんに、Hさんがスープを作ってくれました。
メインディッシュは大好きなハムカツ焼きそばパン。
JR駅内の「NewDays」で売ってます。
ちなみNewDaysは、パンの種類が豊富でおいしいので、山に行く時はいつもパンを買っていきます。
2017年8月1日の朝、6時20分にキャンプ場を出発
大きな橋を渡って、渓谷の対岸へ向かいます。
昨日の雨の影響で、まだ雲は低いですが、予報では昼から回復するとのこと。
蜘蛛の巣が、雨粒に輝いてきれいでした。
雨の上がりのみちも、楽しいものです。
空気がしっとりしていて、気持ちが落ち着く。
1時間ほど歩くと、昨夜風呂に入った「サンレイク草木」に到着。
おっぱい風の岩を発見
(^ω^)
そうこうするうちに、草木湖を見下ろす展望台に到着。
木の根元には、ふれあいの道の石碑がありました。
次第に雲がほどけ、晴れ間が出てきましたよ。
時刻は8時になっています。
いつしか、あたりは夏の強烈な日差しに照らされ始めていました。
不動滝へとくだる
草木湖の南端はダムになっています。
ここを下ると、不動滝の入り口に出ます。
見ると、滝へと続く階段がありました。
なかなか急です。
木立の向こうからは、ドウドウという滝の音が聞こえてきます。
かなり大きな滝のよう。
階段を下り終えると、滝が目の前に見えました。
不動滝です。
落差は25mとのこと。
写真では伝わりにくいのですが、結構な迫力でした。
マイナスイオンもたっぷり出てましたよ。
美しい田舎風景
さて、再び道に戻り、少し進むと集落に着きました。
童謡ふるさと館、と書いてあります。
ここ、みどり市東町花輪は、「うさぎとかめ」や「きんたろう」を作詞した石原和三郎さんが生まれた土地でした。
なので、ルートの名称も「童謡のふるさとを尋ねるみち」なんですね。
こんな地図が道ばたにありました。
たしかに、錆びてはいますが、うさぎとかめの絵が上部につけられています。
それよりも、驚いたのは、この地図にはフルネームで住民の氏名が書かれていました。
しかも、ほとんどが「松島一族」です。
( ゚Д゚) さすが松島地区
ぜひ拡大して見てみてください。
道ばたにひまわり畑がありました。
夏の空に、ひまわりの黄色が映えます。
この一帯は、なかなか典型的な日本の田舎風景でした。
やっぱり、日本の田舎には夏が似合いますね。
田んぼ、里山、夏の空。
道ばたの神様。
雑草がしげる細い道。
そして、澄んだ川と鉄道。
どこを見ても、誰もが憧れる日本の田舎風景です。
こんな風景の中を歩いていくと、なんと、
吊り橋がかかっているのが見えました。
どうやら、「大滝のみち」の起点となる小中駅は、この橋を渡った先のようです。
橋を渡ると、踏切が見えてきました。
絵で描いたような、美しい日本の田舎風景!
しばらく、駅のホームで休んでいると、列車がやってきました。
この車両も、風景にぴったりのレトロな車両です。
お弁当売りのお姉さんが、乗っていきました。
なんだか、時間がゆっくりと流れている気がします。
いい旅だなぁ・・・
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は、再び山に入り、大滝を訪ねた旅のことを書きますね。
次回の旅はコチラ⤵︎
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それでは、また。
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賽の河原 そして極楽
(写真:国民宿舎サンレイク草木の浴場)
みなさん、こんにちは。
\(^o^)/
前回は、寝釈迦像までの旅を書きました。
前回の旅はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
今回は、その続きです。
改めて、詳細ルートを⤵
寝釈迦像を後にしてさらに山を登り、賽の河原へ。
賽の河原からは下山道です。
そのままわたらせ渓谷へと戻り、「寝釈迦のみち」は終了。
渓谷沿いのキャンプ場で、この夜はビバークをする予定です。
今回は旅友のHさんが一緒に来てくれているので、夜は肉を焼こうとザックの中には凍らせた豚肉と網を持ってきているのです。
(*´ω`*) たのしみ
異界 賽の河原
深い山奥に静かにたたずむ寝釈迦像。
いつ、誰が、何のために作ったのかは不明ですが、これを作った人の気持ちは強く伝わりました。
もっと眺めていたい気持ちもありましたが、さらに進みます。
熊笹が生い茂る、か細いトレイルをたどってさらに奥地へ。
谷側にはやはり、勢いよく川が流れています。
さらに登りが続きます。
そして、1時間弱ほど登った先に、なにやら開けた場所が見えてきました。
どうやら、「賽の河原」と呼ばれる場所に着いたようです。
16時10分でした。
賽の河原は、稜線上の開けた場所でした。
とても静かな場所です。鳥の鳴き声ひとつ聞こえません。
あたりは、息詰まるような静けさに満ちていました。
霧に包まれた広場には所狭しと、石が積み上げられています。
山奥に突如現れたこの石塔の群れは、思わず息を呑むような迫力がありました。
湿った空気と霧のせいで、まさに地獄の入り口のような異界感があります。
石の上には、お地蔵様が。
案内板には、こう書いてありました。
「いまでも、子供の新仏を出した人が、ここで石を積むと、その子供に会えると伝えられています」
淡々と書かれたその言葉が、妙な現実感をもって迫ってきます。
もしかすると、ここに積んである石の多くは、そんな伝説を信じて積まれたものかもしれません。
そう思うと、なんだか胸が締め付けられるような気がしました。
再びわたらせ渓谷へ
さて、夏のこととはいえ、16時を過ぎ、かなり時間が押してきました。
キャンプ場には17時ごろに着くと伝えていましたので、少し急ぐことにします。
霧のせいか、薄暗くなるのが早い気がします。
今回はHさんが一緒にいるので心強いですが、一人だとちょっと心細かったかも。
霧がどんどん深くなってきました。
右手側は、谷に沿った開けた地形のようです。
晴れていれば、きっといい景色が広がっていると思います。
谷側はずいぶん急に落ち込んでいるようですが、霧で先が見えません。
しかし、道跡ははっきりしています。
樹林帯のふちをたどりながら、どんどん下っていきます。
やがて、樹木の中を縫って道が続くようになります。
高度が下がったせいか、少し霧が薄くなったような気がします。
この林を下りきると、登山道の出口に出ました。
このとき、16時50分。
キャンプ場に連絡しようとしましたが、携帯電話は圏外です。
とりあえず、急いでいくことにして、ここからの舗装道は走って下ることに。
途中、携帯の通じたところで連絡を済ませることができましたが、到着したのは18時15分でした。
そして極楽
キャンプ場のおじさんは、親切で気のいい人でした。
(^ω^)「バンガロー空いてるから、使っていいよ」
Σ( ゚Д゚ )「えっ、ほんとですか!」
もちろん、お願いすることに。
この小屋を貸してもらいました。
デッキにテーブルもあって、焼き肉をするにはぴったりです。
これでも十分満足なのに、さらにおじさんは
(^ω^)「風呂まで送ってあげようか?」
Σ( ゚Д゚)「えっ、ほんとですか!!!」
もちろん、送ってもらいました。
何ていい人なのか・・・
キャンプ場から車で10分ほど行ったところに、「サンレイク草木(くさき)」という国民宿舎があり、ここでお風呂に入れるそうです。
おじさんは、ここに晩ごはんを食べに行くらしい。
ということで、いざ、サンレイク草木へ!
立派です・・・
ゆっくりと風呂に入り、今日一日の汗を流しました。
さらに、自販機でアイスとビールも買っちゃったりします。
(*´ω`*) 極楽か・・・
そして、バンガローに戻ると、待ちに待った夕食です。
まずは、アイスを食べながら、ビールで乾杯
(*´Д`) ウへ-
アイスとビールを同時に楽しむというこれ以上ない贅沢・・・
そして、満を持して、ザックから肉を取り出し、
焼く!
(*´ω`) ウヒョー
これはもう疑うことなき極楽。
Hさんと二人で飲み、喰らい、楽しい夜を過ごします。
本当に楽しい旅でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は、翌朝、草木湖のほとりを歩き、大滝へと向かう旅のことを書きますね。
ではまた。
(= ´ω`)ノ バイバイ
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不思議な寝釈迦像
(写真:「寝釈迦のみち」登山道の入り口)
みなさん、こんにちは。
( ゚Д゚)ノ
前回は、群馬県境を越え、「寝釈迦のみち」に入ったところまで書きました。
前回の旅はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
細部ルートです。
寝釈迦像までは山道を登り、賽の河原を折り返し地点として、再び渡良瀬川のほうへ下山します。
深い山道をゆく
さて、渡良瀬川にいったん別れを告げ、山のほうへと向かいます。
道標がすっかり草に覆われていますが、気にしない。
山の入り口に、小さな祠がありました。
まずは安全を祈願してお参り。
素朴な雰囲気がいいですね。
社の右手から伸びる道を1時間ほど登ると、登山道への分岐がありました。
ここを右に進んでいきます。
景色は次第に奥深い森に変わっていきます。
道の脇を、渓流が流れていました。
水の流れる音は進むにしたがって大きくなり、やがて滝となっています。
「般若の滝」という、ちょっといわくありげな名前でした。
さらに登っていきます。
穏やかだった道も、この橋を渡ってからは、狭く、険しくなってきました。
山の深さも、一段と増してきた気がします。
雨上がりという天候もあり、まさに深山といった雰囲気に。
なんだか、妖気が漂う感じ。
雨に濡れて、足元も滑ります。
この傾いた木橋では、思いっきり転んでしまい、ひどく腰を打ちましたよ。
急な登りの先に寝釈迦はありました。
沢入駅をでてから2時間後の、15時10分に到着しました。
不思議な寝釈迦像
岩を削って作られた急な石段を登ると、そこに寝釈迦像はありました。
巨大な岩が彫られ、釈迦像があおむけに横たわっています。
身長は、5mぐらいでしょうか。
思っていたよりも、はるかに大きく、はるかに山奥にありました。
誰が、いつ、何の目的でこの像を彫ったのかは不明だそうです。
一説によると、江戸時代、足尾銅山に送られた囚人の菩提を弔うために、誰かが彫ったのだといいます。
それにしても、こんな寂しい山奥で、こつこつと岩を刻み続けるのは、相当の意思があってのことだと思います。
釈迦像の力強い表情からは、無名の「誰か」の強い気持ちを感じました。
寝釈迦像の陰には、大きな蛇が休んでいます。
寝釈迦像の番をしているかのようでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は、さらに山の奥へと進み、賽の河原を経てわたらせ渓谷に戻る旅を書きますね。
次回の旅はコチラ⤵
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ではまた。
(*´Д`)ノ バイバイ
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群馬の旅のはじまり! 県境を越える
みなさん、こんにちは。
(= ^ω^)ノ
今回から、なんと・・・
「超絶の群馬編」の開始です!
2016年12月28日に栃木県境を越えて以来、約7カ月を費やしましたが、とうとう栃木県を横断し群馬県へと入ります。
前回の旅はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
とうとう、5つ目の県です。
神奈川をスタートしたのが2014年12年25日なので、約3年7カ月。
旅のはじまりはコチラ⤵
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予想よりもはるかに長い旅になっていますが、何となく「本当に一周できるかも!」という確信が生まれてきました。
さて、これまでの全体像です。
うーん、思えば遠くへきたもんだ。
あと、手ごわいのは群馬だけか?
(^ω^) よーし!
心の中で湧き上がる楽観論・・・
今回の旅の詳細図です⤵
前回終了したわたらせ渓谷鉄道、原向駅を出発し、国道122号沿いに南下。
3kmほどで群馬県境を越えます。
さらに南下し沢入(そうり)駅から、渓谷を離れ山のほうへと向かう「寝釈迦のみち」に入ります。
奥深い山中に入り、寝釈迦像、賽の河原を経て、再び沢入駅にもどり、このルートは終了。
この近くのキャンプ場で野営をする予定です。
翌朝は、草木湖沿いに「草木湖をめぐるみち」、「童謡のふるさとを尋ねるみち」を進みます。
その途中で、山のほうに伸びる「大滝へのみち」を往復し、小中駅でゴール。
だいたい、60km弱といったところでしょうか。
ということで、今回は山友のHさんに付き合ってもらい、2017年7月31日~8月1日にかけて旅しました。
ぼくとHさんはそれぞれ、この前の週に行われた「分水嶺トレイル」という縦走大会に出て相当疲弊したので、その疲れた心を癒すたびでもありました。
分水嶺トレイルの話はコチラ⤵
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わたらせ鉄道に乗って
スタート地点の原向駅までは、わたらせ渓谷鉄道に乗っていきます。
この鉄道は、車窓からの景色もいいし、とにかく雰囲気が最高。
どうですか、この車両。
なんだか懐かしいような。
駅舎だって、こんなにステキなんです。
あじさいの花と、木造の駅舎。
大きい駅には、物売りのおじさんもいる。
むかし、こんな物売りのおじさんと、列車の窓越しに品物を受け取った思い出が。
じゃがバター
を買いました。
うまかった!
列車は渓谷沿いの細い線路をのんきに進んでいきます。
可愛いトンネルをぬけて、
そして、原向駅に到着。
ここで旅が終わったのが5月。
あれから2ヶ月たった原向駅は、ずいぶん草深くなっていました。
県境を越える!
天気は曇りですが、雨は大丈夫のようです。
天気予報では、これから回復するとのことでした。
身じたくを整えて、11時40分に原向駅を出発。
駅の前に横たわる渡良瀬川にかかる橋を渡って、国道122号線を南下。
トンネルを抜けて行きます。
入り口に絵が描いてあって面白いです。
道路の脇には渡良瀬川が。
そして、12時10分、
とうとう群馬県境に到達!
ちょっと立ち止まり、少し思いにふけります。
県境を越えるときはいつも、ささやかな感激に浸るのですが、
今回は特に心に来るものがありました。
しかし、道はまだまだ遠い!
まだまだ、見ていないものもたくさん!
そう思うと、再び進む力が沸いてきます。
さあ、行きましょう。
で、到着しました、沢入(そうり)駅
ここから、「寝釈迦のみち」に入ります。
看板を発見!
たしかに、図ではこれ以上ないほど、寝ています。
これは一見の価値ありの予感。
ということで、山のほうに入っていきます。
次回は、寝釈迦への旅を書きますね。
次回の旅はコチラ⤵
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではまた。
(*´Д`)ノ バイバイ
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わたらせ渓谷 栃木の旅の終わり
みなさん、こんにちは。
(*´Д`)ノ
いよいよ、長かった栃木の旅も終わりです。
前回は、井戸湿原から前日光ハイランドロッジまでの旅を書きました。
前回の旅はコチラ⤵
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今回は、ハイランドロッジを後にして、わたらせ渓谷へと向かいます。
細部のルートはこちら⤵
ハイランドロッジから「高原と牧場のみち」を通り、古峰ヶ原湿原(こぶがはらしつげん)までの8.5kmを北上。
そこからは「修験者のみち」を西に。これは12.5kmの道の大半は渓流に沿って進み、その終点はわたらせ渓谷鉄道の通洞(つうどう)駅です。
最後は、「赤銅のみち」、12.6kmです。
通洞駅を後にして、間藤(まふじ)駅から足尾銅山の精錬所跡まで川沿いに進み、そこから備前楯山(びぜんたてやま)に登ります。
その後、山を下って銀山平(ぎんざんだいら)でゴール。
ただしここには交通機関がないため、原向(はらむこう)駅まで約9kmほどを自力で下ります。
これでだいたい、42kmぐらいの旅程でした。
そしてなんと、これで「戦慄の栃木編」が終了です!
\(^o^)/
朝の牧場と古峰ヶ原湿原
天候もよく、気持ちよく眠ることができました。
朝ごはんは、リンゴです。
持ってくるのは重かったけど、それを補って余りある旨さです。
山で食べる果物はどれもおいしい!
4時55分に出発。
空気がひんやりしていて、気持ちいい朝でした。
白い牧柵が向こうの山まで伸びています。
この柵に沿って進みます。
緑の牧場に、白い柵が鮮やかです。
なんだか、巨大迷路を歩いているみたいで面白い!
柵沿いに登っていくと、アンテナの立つ方蓋山(かたふたやま)という小さな山の頂上に到着。
ここで牧場沿いの道は終わり、山の中に入っていきます。
山道は、緩やかな尾根線の平坦な道でした。
樹木に覆われた、トンネルのような道が続きます。
これもまた、別の巨大迷路みたいで面白かったです。
頭に触れるほど低い木々のトンネルを潜り抜けて走っていると、なんだか動物になったような気がするぞ!
やがて道は小高い登りに変わり、その先に何やら人工物が見えてきました。
なんだろう。
神社がありました。
鳥居の後ろには、奇妙な岩が。
これが「三枚岩」でした。
確かに、三枚の巨石が重なり合っています。
誰もいない山中で、これが突然現れたので、すごく不思議な感じがしました。
どうやらこの三枚岩は神域の中心になっているらしく、ここから古峰ヶ原湿原までの下りには鳥居が何本か立てられていました。
このような鳥居を3本くぐると、広々とした風景が開けます。
古峰ヶ原湿原です。
時間は6時20分でした。
向こうに見えるのが古峰ヶ原ヒュッテです。
無人小屋なのですが、すぐ近くまで舗装道が伸びていて、駐車場もあります。
中はこんな感じでした。
きれいに整備されていました。
囲炉裏もあるので、暖もとれそうです。
小屋の前のベンチに座って、来た道を振り返ります。
あの山の向こうがハイランドロッジ。
山の頂上辺りが三枚岩でしょうか。
さて、つぎはいよいよ渡良瀬川へと向かいます。
緑の中をせせらぎが流れる
古峰ヶ原湿原からは、谷と渓流沿いに進みます。
まずは、ヒユッテの前から伸びるみちに沿って、
湿原を望みながら、走ります。
ここから1kmも行かないうちに「深山巴の宿」という場所に出ます。
川に向かって、鳥居が並んでいて、なんだか神秘的な雰囲気。
下ってみると、澄んだ水に囲まれた円形状の島があります。
島の中には、さらに鳥居が続いていて、その奥に小さな祠がありました。
なんだか神々しい空気に満ちています。
それもそのはず、後で知ったのですが、ここは有名なパワースポットらしい。
日光を開山した、勝道上人がここで修行し、その後千年にわたり修験者がみそぎを行った場所らしいです。
どおりで空気が違うはずだ。
お参りしたのち、再び道を進みます。
すぐに太い道路に出て、少し道を失いますが、よく見ると道標が。
寂れた林道を下っていきます。
気付くと、森の中を水が流れていました。
流れは、道を下るにしたがって、大きくなっていきます。
やがて道はしっかりとした舗装道に変わり、
道の脇には、いつしか深い渓谷が形作られていました。
渓谷の向こうには、初夏の山。
深山巴の宿から2時間半、山道が終わりに近づいてきます。
道の脇に、サルがいました。
そして、とうとう大きな川にぶつかりました。
渡良瀬川です!
緑色の、大きな橋が架かっています。
ここを渡れば、もう通洞駅のはず。
意気揚々と橋を渡ります。
橋の向こうには、小さな町がありました。
通洞の町です。
到着は8時35分でした。
アイフォン壊れる?
わたらせ渓谷鉄道の通洞駅は、昭和レトロな可愛い駅舎です。
よーし写真撮るぞ。
そう思ってアイフォンを取り出すと、なんと画面がまっくら。
どのボタンを触っても、ウンともスンとも反応しない・・・
Σ(゚Д゚) えっ壊れた?
ほんの数分前に、通洞の街並みの写真を撮った時は、ちゃんと動いたし、
バッテリーも残り40%ぐらいあったはず。
あわてて、ザックから充電器を取り出してつないでみますが、やっぱり反応なし。
しばらくいろいろと頑張ってみますが、やはりだめ・・・
仕方がないので、次の「赤銅のみち」に出発します。
このルートは、足尾銅山の遺構や、備前楯山といった見どころがあったのですが、こんな事情で何一つ写真が残っていません。
9時20分に通洞駅を出発し、10時過ぎに足尾精練所跡に到着。
その後、備前楯山の頂上に11時55分に着きました。
ここからは足尾の町やわたらせ渓谷が一望できましたよ。
さらに山を下って12時40分に銀山平でゴール。
ここで祭がやっていたので、そこので店でアユの塩焼きを買って食べました。
銀山平からは、ルート外の道路を下り、わたらせ渓谷鉄道の原向駅まで。
14時10分に到着。
そしてここで、駅舎のコンセントを借りてもう一度充電してみると、なんとアイフォンが復活!
これで分かったのは、
➀ 画面の残充電量はアテにならないことがある。
② ゼロ充電になると、電池式の充電器では電圧が低くて充電できない。
ということでした。
実はこの失敗は、ほかの山でもやってます⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
アイフォンを持ってる人は気を付けて!
で、原向駅です。
まるで、誰かの家のような駅舎。
ホームの向かいは、深い森になってます。
ここで、2時間ほど電車が来るのを待ちました。
おっ、ようやくやって来た。
(^ω^)ノ
なんと、旅情のある電車でしょう。
なんだか、動きもゆっくりで、よちよち歩きっぽい。
すっかり好きになりました。
こののんびりとした雰囲気が、ぼくのやりたい旅なんだなぁ、と実感。
そして、これで長かった栃木の旅も終わりです。
古い町があり、広い平野があり、奥深い山や、ひっそりとした湿原や、美しい川がたくさんありました。
出会った人も、みな人懐っこい、優しい人達でしたよ。
ホントにステキなところでした。
さようなら栃木、また来るよ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は、わたらせ渓谷をさらに下り、いよいよ群馬県に入ります。
ではまた。
(= ´ω`)ノ バイバイ
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