大山から大磯へ 神奈川の魅力
(写真:「大磯・高麗山のみち」海辺で遊ぶ親子)
こんにちは。りゅうぞうです。
前回は、第1回目の旅について書きました。大山(おおやま)を越える予定が、いろいろあって途中の日向(ひなた)薬師で断念。
前回の旅はこちら⇓
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
今回は日向薬師から改めてスタートです。
果たして、無事に海まで行けるのか?
山と海をつなぐ4ルート
赤は前回通ったルート。青が今回のルートです。
うーん。この図を見るたびに思うけど、先は長い・・・
前回は、途中でビバークをしましたが、今回は日帰りで計画。正月休み明けの2015年1月18日に行きました。
ルートの細部はこんな感じです。
まずは、日向薬師バス停から出発です。そこから大山の阿夫利神社(下社)から山を下ります。これが前回行けなかった「大山参り蓑毛のみち」。
そこから住宅地をぬけて弘法山に登り、南平橋バス停で終わる「弘法大師と丹沢へのみち」を走ります。(地図①のルート)
次はいよいよ海に到達します。
南平橋バス停から、鷹取山を経て大磯の月京バス停までが「鷹取山・里のみち」。そして連結区間を挟んで、いよいよ海岸沿いを走り、湘南平から高麗山に登って再び海へむかう「大磯・高麗山のみち」。(地図②のルート)
JR大磯駅の近くにある西海岸バス停が、今回の旅のゴールです。
コース合計で33.8km、連結区間を含めると40km弱ぐらいかな。
今回は、山を下って街に降りていくコースなので、トレイルは少なそうです。
さよなら山の神奈川
前回、お腹が減って休憩した露台もそのままです。
あの日は雪も降ったよなぁ・・・。
でも今日は、奥さんにおにぎりも作ってもらったし、天気も最高です。
まだ8時過ぎなので、お店は開いていないです。自販機で水とポカリを買って、出発!
何と言っても、2回目のみちなので自信たっぷりです。どんどん舗装道を登っていきます。そして、前回ニジマスの塩焼きを食べたクアハウス山小屋を少し過ぎたところで、発見しました!
道標だ! わかりますか?
たしかに、左手のコンクリートの切れるあたりに道標が立ってますね。登山道の入り口もハッキリわかります。
うわー、何でこれを見逃したんだろう。道が右手に延びているから、そっちのほうを見てたのかな。
もちろん、正しいルートに入っていきます。
丸太橋を渡り、
さらに登っていくと、前回、間違えて進んだ林道と交差します。
ここです。
で、このまま林道を横切り、階段から再び登山道を登っていきます。
(= ´ ω ` )ノ 調子いいぞ!
登っていくと、大山が見えてきました。
汗でカメラのレンズが曇ってますね。天気がいいこともあって、結構暑いです。
今回のルートは大山の山頂ではなく、二重の滝から下社のほうに向かうので、ぼくはここから下りの道に入っていきます。
二重の滝にかかる橋を渡ります。
ちなみに二重の滝は予想していたより、ささやかな滝で、岩壁を這うように流れていました。
ここから登り基調ですが、写真で見ても分かる通り緩やかです。誰もいないので気持ちよく走れます。
阿夫利神社のすぐそばで、おばあさん3人と出会います。
「滝まではきつい道ですか?」
と聞かれたので、額を流れる汗をぬぐいながら「全然ゆるいですよ」と答えますが、あまり説得力なかったでしょうね。
阿夫利神社の下社に到着しました。
2200年以上の歴史を誇る、関東総鎮護の霊山です。関東一周する身としては、しっかりと旅の安全をお参りしておきました。
阿夫利神社からのくだりは、ところどころ急なところもあります。
このままどんどん下って、ゴールの蓑毛バス停には11時に到着しました。
バス停からは1.5kmほどの連結区間を経て、次のルートに入っていきますが、市街地を通り抜けるので弘法山までは引き続き舗装道が続きます。
1220分に到着したので、この上のベンチに座りお昼にします。奥さんが作ってくれたおにぎりと卵焼きを取り出すと、ネコが一匹やってきました。
( * ´ ω`* ) カワイイ
きっと、みんなからご飯をもらってるんでしょうね。太っていて、人懐っこいです。
おにぎりをあげると、頭をすりつけてきます。
隣に座っている男性と代わり代わりにお昼ご飯を分けてあげました。
弘法山の隣にある権現山からは、富士山が目の前に見えます。
これでいよいよ、山地も終わりです。さよなら山の神奈川!
神奈川の魅力
権現山から目を南に転じると、もう海は手の届く距離にあります。はやる心を押さえつつ、山を下ります。ここからは再び市街地です。
次の「鷹取山・里のみち」も市街地の中を抜けていきます。鷹取山付近にはゴルフ場があり、それに沿って進んでいくと、山に登るはずなのに下っていきます。
どうやらまた道を間違えたようです。
戻ってみると、ゴルフ場の金網の脇に、裏山に登るかのような細くて地味な小道がある。どうやらここを行くみたいです。これはなかなか気づかない・・・
さびれた感じの細道を登っていくと、ほどなく鷹取神社に到着しました。ここまでくれば、もう大磯の海岸はすぐそこです。
海!
ようやく、海に出ました!
ユーラシア大陸最西端の、ポルトガルのロカ岬には「ここに地終わり、海始まる」というルイス・デ・カモンイスの詩編が刻まれているそうです。
大げさですが、その時、この句を思い出したのです。
波打ち際に手を浸し、少し海の水を口に含んでみました。
潮の味がしました。それは、これまで通って来た山や里にはない香りでした。
目の前には太平洋が広がっていました。それこそ有り余る空間でした。だだっ広くて、それでいて豊かな空間。さえぎるものなく世界中のあらゆる場所と繋がっていて、どこまでも遠くに連なっている空間。
陸地とはまた、全く異なる開放感が満ち溢れていました。海は、山とはまた違った種類の冒険心を掻き立てます。
山から海に向かって走り続けてみると、それがよくわかります。
今まで、何度も海水浴や、ドライブや、身体を焼くために海に行きましたが、それとは全く異なる海が、目の前には広がっていました。
ぼくはとても爽快な気持ちで、砂浜の上を走りました。
砂浜を走り続けていると、やがて内陸へルートは折れ、東海道の松並木を通り、再び山のほうへ向かい、テレビ塔の立つ湘南平に到着します。
ここは公園になっていて、多くの人々が散策しています。写真にも仲の良い老若二組のカップルが歩いていますね。
いよいよ今回の旅も最後です。湘南平を東へ進み、高麗山へ向かいます。
大磯駅から湘南平までが整備された道だったのに対し、湘南平から高麗山は短いながらワイルドなトレイルです。むき出しの岩や、細尾根が続き、飽きさせません。
地元トレイルランナーの格好の練習場らしく、3・4人のランナーとすれ違います。
高麗山は高島平とは全く雰囲気が異なり、神社がぽつりと建つ薄暗い山頂でした。ここから南へつづら折りの急坂を下り、花水川に沿って走ると、本日のゴールである西海岸バス停に到着しました。17時05分でした。
しかし、何と変化に富んだ道だったでしょうか。
丹沢東端のシングルトレイルから、里山を抜け、砂浜を走り、最後の高麗山と、たった40km弱の間に、山があり、海があり、街がありました。
ぼくは関西で育ったので、神奈川と言えば横浜のイメージしかなかったのですが、高尾山から海まで走ってみて、そのイメージがいかに貧しいかを実感しました。そして一日で行動できる範囲の中に、さらに言えば、交通アクセスがこれほど良い環境の中に、これほどのバリエーションある景色が詰め込まれているのです。
神奈川県の知られざる魅力ですね。目からウロコです神奈川県!
自分の足で、歩いて、走ってみると、その魅力を実感できます。
次は、湘南海岸から鎌倉に向かいます。
ではまた。
(= ´ ω ` )ノ
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