ロングトレイルの旅   関東ふれあいの道一周

1都6県をつなぐ自然歩道「関東ふれあいの道」1800Kmを一周するりゅうぞうのブログです。

「鋸山で遭難が急増?」 低山を登るには 

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 (写真:「東京湾を望むみち」鋸山山頂)

どうぞ読者に!⤵

みなさん、こんにちは。

今回は、遭難関係の記事です。

前回の遭難関係の記事は、多くの人に読んでいただいたようですが、今回も多くの人にとって参考になればと思っています。

前回の記事はコチラ⤵


 

「千葉・鋸山(のこぎりやま)で遭難が急増 標高の低い山で相次ぐ理由は」

という特集が、NHKニュース「首都圏ネットワークで放送されました。(2018年11月19日放送)

 

鋸山は関東ふれあいの道のルートにも入っているし、このブログでも紹介しているので、これはちょっと気になる。

鋸山の旅はコチラ⤵

trailtravel8hureai.hatenablog.jp

trailtravel8hureai.hatenablog.jp

 

鋸山は千葉県富津市と鋸南町の間に位置し、標高329.4mと低山ながら、東京湾を一望できるパノラマを楽しむことができる人気の山です。

・ 東京からのアクセスも比較的よく、ロープウェイで山頂近くまで行ける。

・ 山全体が日本寺の境内で、座高31mの大仏や、百尺観音と見どころいっぱい。

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・ 古くからの石切り場で、採石あとの断崖や奇観がたくさん。

・ 「地獄のぞき」という100mの絶壁の上に立つことができる。

・ 登山後は、ふもとの金谷漁港でおいしい海産物をショッピング。

 

とまあ、これでもかと魅力の詰まった山です。

しかし、この山で遭難が急増しているらしい。

 

なぜ遭難?

遭難の理由は、大きく二つあるようでした。

➀ 登山道を外れ迷い込む

② その結果、険しい場所で滑落

 

さらにこのスパイラルを助長するのが

→ 暗くなり焦る。さらに迷う。

→ 暗くなり見えず、踏み外す。

(そもそもライトを持っていないことも!)

 

ニュース映像で注意喚起の看板が映りましたが、そこには「日没時間を考慮して入山してください」と書いてありました。

 

道迷い→暗くなる→滑落

もしくは

暗くなる→道迷い→滑落

 

うーん、この負の連鎖。

でもなぜ、鋸山のような人の多い低山で、この負の連鎖が生じるのでしょう。

 

むしろ低山は危ない

それでは、低い山(明確な定義はないけど)は、高山よりも安全でしょうか?

確かに、低山では高山病や、落雷の直撃、天候の急変などは少ない。

樹林帯も多くて雨風を凌げる、食べものや水もある。

人里との距離も近いから、何かあっても安心(?)。

 

こんなところでしょうか。

確かに、全てその通り。

特に、樹林帯の存在や人里からの近さは、登山者にとっては安心材料です。

山から街が見えると、もう安心感はMAX!

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ただし、それらの利点が、じつは低山の危険を生んでいるのです。

鋸山の遭難原因はまず「迷い込む」ことにありますが、低山こそ道迷いの危険が高い

道迷いという点では、むしろ低山や里山は危ないのです

 

低山はなぜ迷う?

その理由は、低山の利点と表裏一体です。

理由その➀

人里から比較的近いので、いろんな人が足を踏み入れる。

山登り、山菜取り、木の伐採、狩猟、渓流釣り、などなど。

それらの人たちは、必ずしも決められた登山道を通るわけではありません。

すると、踏み跡ができ、それが道に見える。これが危険!

鋸山は採石場でしたから、石切り人夫が歩いた後が網の目のように残っている。

ここを登山道と間違え、入り込んでしまうのです。

NHKのニュースでも、まずこの点に触れていました。

 

理由その②

低山はだいたい深い樹林帯に覆われています。

これが視界を遮る。

森林限界を超えた高山なら、天気が良ければ遠くまで見通せます。

今進んでいる方向の先がどうなっているか知ることができます。

しかし、深い森の中を進んでいると、見通しが効かないので、突然道がなくなって慌てることがある。

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この時、道が発見できなければ、もと来た道を戻ればいいのですが。

動揺してしまうと、道でもないところを道と見誤り、そちらに進んでしまうことがある。

もっと悪いのは、突然足を踏み外したり、崖から落ちたりするのです。

 

理由その③

樹林帯ではたくさん木が倒れています。

木が倒れ、行く手を遮っていると、そこは道でないと錯覚します。

低山はたいてい無名の山が多いですから、人気のある高山と違って、指示標識も少ないし、道も荒れていることが多い。

木が倒れている登山道よりも、すっきりとした感じの樹間を道と間違え進んでしまうことがある。

以前記事にも書いた五頭連峰での親子の遭難は、まさにそれがきっかけでした。

この場所では、雪のある右側に進んでしまいますよね。

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しかし本当の登山道は、倒木や樹木にさえぎられた左側のほうなのです。

 

低山を登るには

ということで、道迷いに関しては、低山は決して油断はできません。

じゃあ、どうすればいいの、という話です。

やはり、正しい道を進むということにつきます。

従って、必ず地図とコンパスは持っておくべきです。

紙の地図でなくても構いません。

ただし、スマホに最初から入っているような地図アプリは、山の道はもちろん、等高線も表示されませんから、ほとんど役に立ちません。

「ジオグラフィカ」や「ヤマレコMAP」などの無料アプリをいれておきましょう。

気をつけなければならないのは、地図アプリやスマホのコンパスは電池が切れれば終了という点です。

携帯電話は、遭難の際の命綱ですから、電池は絶対に切らせてはいけません。

必ず予備バッテリーを準備し、大事に使いましょう。

 

そして最も大事なのは、「胸騒ぎを無視しない」ということです。

正しい道でないところは、必ずおかしなところが連続します。

やけに急だったり、

木の茂りが尋常でなかったり、

足跡が見当たらないなど。

そのようなおかしな点がいくつも見つかると、必ず不安になって胸騒ぎを感じます。

それは正しい感覚です。

その時は、自分の感覚を信じて、すぐに既知点まで引き返しましょう!

 

ということで、この記事が少しでも、安全に低山を楽しむ役に立てば・・・。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ではまた。

 

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