三浦半島縦走の旅(終) そして海へ
(写真:津久井ヶ浜の海岸)
どうぞ読者に!⤵
みなさん、こんにちは。
(= ^ω^)ノ
三浦半島縦走の旅も、いよいよ最後の山地部を残すばかりとなりました。
前回は、大楠山から南の尾根を下り、沢山池(たくさんいけ)に出たところまで書きましたね。
前回の旅はコチラ⤵
今回は、沢山池から平地部を抜け、第三の山地部に入り、武山(たけやま)から三浦富士を下り、目的地の津久井ヶ浜まで到着します。
それでは旅を続けましょう!
沢山池から武山の市街地へ
大楠山からの下りは登山道の設定がなく、最後はヤブ漕ぎとなり、かなり大変でした。
そんな密林地帯を抜けると、突如として沢山池が出現
さっきまでの里山地獄がウソのように、のどかに家族連れが遊んでいます。
ぼくもほっと一息です。
迷うことなく、無事に下りられてよかった。
しかしここで、雨が降り始めます。
沢山池の水面にも、雨で波紋が浮かびます。
わりと大きな雨粒で、しっかり降ってきたので、雨衣を着ることにしました。
見上げると青空が見えているので、すぐに止むでしょう。
雨対策を整えると、改めて出発。
沢山池から5分ほど歩くと、市街地が続きます。
まだパラパラしますが、雨は早くもあがりました。
坂の向こうに、目指す武山(稜線の右)と三浦富士(同じく左)が近づいてきます。
この坂を下ると、武山の住宅地に入ります。
このあたりは、しっかり地図を見ておかないと迷いやすい。
ぼくの場合、一番迷いやすいのは山ではなく、町中だったりする。
都心だと、子供以上に迷ったりします。
ここを右に曲がり、住宅街を抜けていく。
さらに15分ほど歩くと、ようやく武山の登り口が見えてきました。
正面に見える小高い山が武山です。
武山の山頂には「武山不動」というお寺があり、そこまで参道が通じています。
武山不動で雨宿り
市街地を抜け、ようやく登りに入りました。
しっかり舗装された歩きやすい道です。
途中には、ベンチや杖も置いてありましたよ。
木々の間からは、武山の市街が見えます。
正面に見えるのは、自衛隊の武山駐屯地です。
道は歩きやすいのですが、再び空模様が怪しい感じに。
雲が黒く、低くなってきた。
遠くで雷が鳴り、風も出てきます。
どうやら、本格的に雷雨が近づいてきたようです。
急ぎましょう!
ドーンという音がしました。
どうやら近くで雷が落ちたようです。
(((*´Д`))) ヒエー
武山山頂には15時30分に到着しましたが、到着と同時に激しい雨。
写真では分かりませんが、大きな雨粒です。
仕方ありません、少しお堂で雨宿りさせてもらいましょう。
お堂の軒下に入り、腰を下ろします。
遠くでは、ひっきりなしに雷鳴が聞こえる。
屋根や地面を激しく打つ雨の音が、山頂に響く。
圧倒的な音響に包まれているのですが、逆にそれが静けさを感じさせました。
気持ちが落ち着きます。なぜでしょう。
奇妙な音が聞こえる
20分ほどお堂の軒下で座っていると、雨がやみました。
不動様にお礼を言って、旅を続けることにします。
お堂を下った境内には、人が集まっていました。
何か食べたいと思いましたが、どうやら片付けに入っているようでした。
左側のフェンス脇に小道が伸びていますが、三浦富士へはこちらに進みます。
まずは、長い階段を下りましょう。
途中、展望台がありました。
すこし、景色を眺めて行きましょう。
もう、海はすぐそこです。
西側(写真の右手)には、再び黒雲が迫っています。
恐らく、すぐにまた三浦半島は雨域に入るでしょう。
なんとか、追いつかれずに下山できればいいのですが。
こうして登山道を急いでいると、少し気味の悪いことがありました。
路上に立ち止まって写真を撮っていると、突然、耳元で
ハッハッハッ、と荒い息遣いが聞こえたのです。
獣の呼吸のよう。
イノシシか? と思い、あたりを見回しましたが、それらしい様子はありません。
人間はもちろん、動物の気配もない。
慌ててブレてしまいましたが、その時の写真です。
振り返っても、薄暗い山道が、ただ続いているだけ。
しかし、この息遣いは耳元ではっきりと聞こえる。
実は、この奇妙な音は、森戸川の渓谷でも聞こえたのでした。
次第に、この荒い息遣いの音が大きくなってきます。
少し恐怖を感じ、走ってその場から立ち去る。
走りながら振り返ったのですが、何も追っては来ませんでした。
しかし一体、あの音はなんだったのでしょうか?
今でも気になります。
息が切れるまで走って、ようやく三浦富士の山頂に到着。
16時15分でした。
もうあの奇妙な音は聞こえませんでした。
そして海へ
三浦富士の山頂で、残念ながら再び雨が降ってきました。
ザックから雨衣を取り出し、身につける。
さあ、最後の下りです。
10分ほど下ると、ようやく山が終わりました。
キャベツ畑の向こうに海が見えます。
雨はもう嵐のように激しくなってきました。
海のほうでは雷鳴と稲光が。
ようやく市街地に降りたときには、もはや大雨です。
この時、時間は16時30分でした。
ちょうど屋根のある場所があったので、もう一度雨宿り。
鉄板の屋根なので、打ちつける雨音が凄まじい。
武山不動尊のような静けさは、みじんも感じることができません。
しかし、雨宿りできて助かりました。
ザックを下ろし、少し休みます。
雨はちょうど17時にやみました。
さあ、海はもうすぐそこです。
津久井ヶ浜の集落に入りました。
雨傘のなかで、女性が楽しそうにおしゃべりしています。
ぼくも楽しい気持ちになってきました。
そしてとうとう、道路の向こうに海が!
もう、気持ちの高まりが抑えられない!
青信号を待って道を渡り、海岸へ駆け降りる。
そして目の前に!
海!
とうとう着いた!
着いたぞっ!
海水に手を触れてみる。
その冷たさが旅の終わりを実感させます。
ぼくの興奮をよそに、波は静かに打ち寄せ、水平線の向こうで微かに遠雷が響いていました。
たった一日、40kmに満たない距離ですが、何といろいろなことがあった旅でしょう。
イノシシの罠にはまり、ジャングルトレイルを抜け、尾根から海を臨み、山から三浦半島を一望し、里山地獄をくぐり、お堂で雨宿りをして、奇妙な声を聞き、そして、海。
しばらく、砂浜に立ち尽くし、今日の旅路を振り返ります。
本当に幸せな気持ちでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
よければ「関東ふれあいの道一周」も読んでください⤵
ではまた。
どうぞ読者になって下さい⤵