トンボ群れる平標山の家 ぐんま県境稜線トレイル➅
(写真:平標山の家でのトンボ)
どうぞ読者に!⤵
みなさん、こんにちは。
(^ω^)ノ
ぐんま県境稜線トレイルの続きです。
いろいろあって、前回の記事からかなり間が空いてしまいました。
大障子避難小屋を2時に出発、夜の尾根を旅して平標山(たいらっぴょうやま)に到着したところまで書きましたね。
前回の旅はコチラ⤵
もう一度ルートをおさらいしてみましょう。
2日目の今日は、平標山から三国峠を経て、ムジナ平までの予定です。
この日は、平標山のふもとに平標山の家という小屋がありますが、その後は野反湖まで無人小屋すらなく、特に稲包山~白砂山の間は道すら怪しいという難路
(現在ではちゃんと「山と高原地図」にルート表記があります)
はたして、大丈夫でしょうか?
ということで、旅の2日目、2019年8月11日の朝です。
平らだよ平標山
長く不安な夜の稜線を越え、たどり着いた平標山
そのなだらかな山容と、山すそに広がる草原
そして山頂に通じる白い木段
まるで天国のようです。
昨日から厳しい旅が続いていたので、心が緊張から解放されていく。
穏やかな気持ちで登っていきます。
そして、7時50分、山頂に到着。
これまで歩いてきた谷川岳主脈が、はるかに望める。
平標山はその名の通り、平らでひろーい山頂。
ドッジボールぐらいなら、できそうな感じの広場になっています。
朝の2時に大障子避難小屋を出発して約6時間。
ほとんど休憩を取らなかったので疲れました。
少し休みましょう。
ザックを下ろしてみると、思っていたより疲労を感じます。
そして気になったのが、夜露の中を歩き続けたせいか、足が湿っていたことでした。
ぼくの靴は防水仕様なのですが、どうやら靴から外に出ている靴下部分が濡れ、それが靴の中の靴下にまで伝わったようです。
靴を脱ぐと、足が白くふやけている。
(;゚Д゚) ううっ・・・
トンボ群れ飛ぶ平標山の家
休んでいると、西の苗場スキー場方向から雲が急速に湧き上がってきました。
この先の平標山の家へと下る道も、あっという間にガスに覆われていきます。
もう少し休みたい気持ちはありましたが、もう行きましょう。
靴を履き、ザックを背負います。
靴下を脱いで、もう一度履いてみると、思ったより濡れているのを感じました。
うーん、やっぱりこれは良くないぞ。
( ;´Д`) まずい・・・
山歩きでは、足が濡れるのはご法度です。
ましてや、長い距離を歩くロングトレイルでは危険な状態。
足が湿ってふやけると、しわだらけになってマメの原因になったり、しわが重なり合って皮膚が痛んだりして、歩けなくなってしまいます
本当はこの時点ですぐに処置をすべきでしたが、もう準備を整えてしまいました。
この先20分ほど下ると平標山の家ですから、そこで処置をすることにしよう。
とにかく長い木道の下りが続きます。
本当に長いです。
木道で路面が固くなったせいか、湿った足の裏が痛くなってきました。
うーん、まずいぞ・・・・
しかし、そんなことにはお構いなしに、延々と続く木段。
下るにつれて、ガスがさらに深くなってきました。
さっきまでの高揚した気持ちもどこへやら、急に心が折れるような感じに。
こんな状態で、道も定かでないムジナ平まで行けるのか?
そのためには、あと8時間は歩き続けなければならないのに・・・
すっかり、心の針は弱気に振れてしまいます。
そんな気持ちのまま、8時20分、平標山の家に到着
この先は、野反湖まで補給できる場所がありません。
その野反湖は、明日の昼に到着する予定ですから、これからは、まる1日以上補給ができないことになります。
水場もムジナ平の怪しい水場1カ所のみ。
しかし、計画よりかなり時間を使ってしまい、あまりここで長居はできない。
本来なら、ここには7時半ごろ到着する予定でした。
それでも、疲労と足の痛み、そして空腹は耐えがたく、先ほど平標山の山頂で休んだばかりですが、ここでも休憩をとることにします。
中に入ると、小屋の子供たちがいて、可愛らしく注文を取ってくれました。
カップラーメンの美味しかったこと!
朝の2時から、ほとんど何も食べていなかったので、お腹に染み渡ります。
塩味の強いスープが、疲れを癒すんですよね。
今まで何百杯となく食べましたが、人生で一番おいしいカップヌードルでした。
;つД`) ホントだよ!
靴を脱ぎ、濡れた足を少しでも乾かしましょう。
そうしていると、小屋の周囲を飛び交っている無数のトンボの一匹が、ぼくの足先に止まります。
汚い足をお見せしてすみません。
大分、ふやけ始めているのがわかりますね。
少し痛みも感じます
トンボは、そんなぼくの状況は関係なく飛び、そしてまた指先に止まる。
まるで空気のなかを滑るように、スイスイと飛び回っています。
いいなあ、こんな素晴らしい羽があればムジナ平まで、ひとっ飛びだな。
思わず、そんなことを考えてしまいます。
時間的に急がなければならないのに、食べ終わってもしばらく動くことができません。
小屋の入り口をぼんやりと眺め、今日はここで泊まるか、などと考えていました。
もちろん、そんなことをすれば旅程は完全に崩れてしまうわけですが。
すると、小屋のご主人でしょうか、若い男の人がこちらに来て話しかけてくれました。
ぼくは、ぐんま県境稜線トレイルの旅をしていることを告げ、気になっていることを聞いてみました。
「稲包山から、白砂山までの道はどうですかね?」
「この前草刈りをしましたから、大丈夫と思いますよ」
(*´Д`) ホッ・・・・
しかし、続けて、
「でも、5月のことだから、今はどうかなぁ・・・」
えええ・・
今は8月だから、3カ月も前だ。
夏草なんて3ヶ月もあればジャングルになっているのでは?
さらに続けて、
「群馬側は刈りましたけど、新潟側はどうかなぁハハハ」
Σ(゚Д゚)ええっ・・・
この稜線は、県境とはいえ両県を行ったり来たりするために、新潟側のエリアもそこそこ多いのです。
さらに、
「あのあたり、小屋もないんですよね。きついですよ。ムジナ平に避難小屋を作ろうって話もあるんですけどね」
そして、
「クマもいますから、気をつけてくださいね(グッ!)」
ご主人は爽やかにそう言うと、ぐんま県境稜線トレイルの案内地図をくれました。
3カ月前の草刈り・・・新潟側?・・・きつい・・・クマ・・・
ご主人から聞いたいろいろな情報が、なぜか不安要素となって頭を駆け巡る。
気付けば、時間はもう9時に。
これはまずい、休みすぎだ!
今日中にムジナ平に行くには、もう時間の余裕がありません。
慌てて靴下を交換し、靴を履きます。
しかし、既に靴の内側も濡れてしまっており、改善効果は薄い。
新しい靴下も、すぐに湿った感じに。
大丈夫だろうか・・・
(防水靴下を持っていましたから、ここで新しい靴下の上に防水靴下を重ねるべきでした。これが後に重大な結果をもたらします)
募る不安を押さえつけ、先へと進むことに。
さて、この先、どんな旅が待っているんでしょう?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回からは今回の旅の最難関、三国峠から稲包山、そしてムジナ平へと向かう旅のことを書きますね。
次回はコチラ⤵
それでは、また。
;つД`) バイバイ・・・
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