ロングトレイルの旅   関東ふれあいの道一周

1都6県をつなぐ自然歩道「関東ふれあいの道」1800Kmを一周するりゅうぞうのブログです。

世界の記憶 三つの石碑をめぐる

f:id:trailtravel:20190322224111j:plain(写真:高崎駅に展示されている上野三碑のレプリカ)

よければ読者になって下さい⤵

みなさん、こんにちは。

(*^ω^*)ノ

前回は高崎の街を出て、「石碑をめぐるみち」に入り、昼なお暗き里山地獄で苦しんだところまで書きました。

前回の旅はコチラ⤵

その里山地獄もようやく終わり、上野(こうずけ)三碑のうち、まずは金井沢碑へと向かう道路へたどり着いたのでした。 

詳細図はコチラ⤵

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今回は、上野三碑をめぐる旅について書きますね。

 

上野(こうずけ)三碑とは?

ところで、これからたどる上野(こうずけ)三碑とは、一体何でしょうか?

なんと、2018年にユネスコの「世界の記憶」遺産に登録された、歴史ある石碑らしい。

飛鳥から奈良時代初期の古代遺跡で、金井沢碑山ノ上碑多胡碑の総称です。

日本に現存する古代石碑は18例、上野三碑はそのうちの3例が近接している稀有な例とのこと。

古代の日本と東アジアの文化交流状況や、当時の家族制度の様子が分かる貴重な歴史文化遺産なのです。

高崎駅には、この三碑のレプリカも展示されていました。(トップ写真)

 

そして金井沢碑

さて、前回の記事は、この道路で終わっていたことを覚えていますか。

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なんとか、もう里山地獄に入らずに、金井沢碑まで行きたい!

地図上ではここからそれほど離れていない。

何といっても世界遺産なんだから、交通の便はいいはず。

 

そう信じて道を進むと、

あった!f:id:trailtravel:20190323140050j:plain

金井沢碑の案内板。

そして、ここが入り口です。8時50分に到着。

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想像していたより、かなり立派。

てっきり、道祖神のように道ばたに立っているのかと思ってた。

石碑までは、なんと木道がつけられています。

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これで驚いてはいけない。

なんと、石碑保存のために、立派な建物も建てられています。

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正面の扉のように見えるのはガラス窓で、ここから石碑を見ることができます。

これです。

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うーん。

光がガラスに反射してうまく撮れない。

どうやら、先祖の供養の一族の繁栄を祈る言葉が彫られているらしい。

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726年に立てられた碑で、なんとすでに「群馬」という地名が使われている。

それに比べりゃ東京はなんだ!

(`・ω・´)  キリッ

1000年以上新しいぞ!

あなどれないぞ群馬!

 

歴史ある道と山ノ上碑

さて、次は山ノ上碑に向かいましょう。

やって来た道路を戻るのですが、そこを途中で左手に山のほうに入っていくはず。

その入り口がどうにも見つからない。

しばらくウロウロして、ようやく見つけました。

工事現場のプレハブと重機の横に、なにやら細い道がついている。

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なんとここが山ノ上碑へと向かうルートの入り口でした。

いやな予感がする・・・

 

川を渡って、また山の中に入っていきます。

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どうやらこの道は、鎌倉街道七曲り」と呼ばれた古い街道らしい。

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昔、高崎から鎌倉へ行くには、ここを通り藤岡まで出たとのこと。

ただし、いまではどのルートだったか判然としないそうです。

ということで、まずは急坂を登ります。

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登りきると、尾根道が緩く続いていました。

里山地獄とは違い、道はよく整備されていて明瞭です。

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枝葉越しの日差しが気持ちいい。

途中、いろいろな石碑や歴史の案内板が建てられていました。

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歴史の案内板には、かつて防人に任ぜられた若者たちが筑紫の国に旅立つとき、この道を通ったと書いてありました。

水戸黄門も、高崎に立ち寄った際にはこの道を使い、その時山賊にあったそうです。

こういう歴史のある道をたどるのは、感慨深いものがあります。

何千人がこの土を踏んだのだろう、とか。

どんな気持ちでこの景色を見たんだろう、と考えると、道って奥が深いなあと思います。

 

こうして楽しく山道を歩いていると、突然建物が姿を現しました。

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どうやら、山ノ上碑に到着したようです。

09時35分でした。

山ノ上碑も、金井沢碑と同じように、建物で保護されています。

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扉のガラス越しに覗いてみます。

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(*´ω`*)  まぁ、立派・・・

全体の形が残っている最古の石碑とのこと。

681年に、長利というひとが母のために建てたそうです。

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まさか、千年以上も残って世界遺産になるとは、長利さんも思わなかっただろうなぁ。

 

豊かな里と多胡碑

山ノ上碑からは、長い階段を下って集落へと降りていきます。

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この階段を下ると、里山とはお別れ。

平地に向かって進んでいきます。

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5月とはいえ、景色はもう夏。

 

下りきると、神社がありました。

山名八幡宮です。

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時刻は10時10分でした。

まだまだ元気だったので、休まず先に進みます。

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青い穂が、初夏の風に揺れてる。

豊かな里の風景です。

きっと、三碑が建てられた時代から、豊かな土地だったんでしょうね。

 

しかし、平地に出ると日陰がなくて暑い!

田の中を3kmほど進むと、ようやく「石碑めぐりのみち」の終点、馬庭駅に到着。

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まるで普通の家の軒先のよう。

小さな子供がお母さんに見守られて遊んでいました。

日差しの中を40分も進んだので、少し疲れた。

駅の日陰に入り、20分ほど休憩。

 

で、11時15分に馬庭駅を出発。

ここからは本日最後のルート、「小梨峠から牛伏山へのみち」20km。

ふたたび田畑が広がる平地を進みます。

牛がこちらを物珍しそうに見ていました。

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「この暑いのに、何してんだ?」

とでも思ってるんでしょうか?

 

駅から多胡碑までは2km弱ですが、住宅街に入り込み道に迷ってしまいます。

30分もかけて、ようやくそれらしい場所に着きました。

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公園のようですが、「多胡碑記念館」と書いてあります。

中に入ってみると、ありました、立派な建物が!

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(´゚д゚`) うぉー

立派な記念館だ!

金井沢碑や山ノ上碑とはかなり違うぞ。

 

さっそく中に入ってみます。

中には、三碑が建てられたころの遺物や、石碑の文字の拓本などが展示されていて、なかなか面白い。

しかし、肝心の多胡碑が見当たらない!

 

実は、この記念館の隣に小さな建物があり、そこで石碑は保存されていたのでした。

これです。

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古代のものとは思えないくらい、文字がはっきり読み取れます。

(読めないけど・・・)

碑の内容は「このたび近くの村を集めて、新しく多胡郡を作ったからよろしく」というものらしい。

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こんなにしっかりした石碑を建てることができたということは、やはり古代から豊かな土地で、腕のいい石工や、教養のある人士も住んでいたということですよね。

今日たどった道も、古代からいろんな人が行き交った道なんだろうなぁ・・・

 

さあ、これで上野三碑めぐりも終わり。

あとは一路、埼玉県境の山地へと向かうばかりです。

次回は、牛伏山から小梨峠を越える旅のことを書きますね。

次回の旅はコチラ⤵

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

それでは、また。

(^ω^)ノ バイバイ

 

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