ここがムジナ平・・ ぐんま県境稜線トレイル⑧
(写真:三坂峠~白砂山の入り口看板)
どうぞ読者に!⤵
みなさん、こんにちは。
( ;´Д`)ノ
ぐんま県境稜線トレイルの続きです。
前回は、平標山の家を後にし、ムジナ平を目指しましたが、疲労と足裏の痛みに耐えかね、稲包山でビバークしたところまで書きましたね。
前回の旅はコチラ⤵
もう一度、ルートのおさらいです。
計画では、翌日(旅の3日目)は、野反湖を越え赤石山のふもとまで進む予定です。
しかしながら、今日ムジナ平まで到達しなかったので、かなり厳しくなってしまった。
稲包山からだと、白砂山まで8時間はかかると見込まれます。
そこからさらに赤石山のふもとまでとなると、まず到達は難しい。
元気いっぱいの時ですら無理でしょう。
疲れ切っているうえに、足がふやけてしまった状態では、なおさら・・・
さて、どうなることでしょう。
ということで、2019年8月11日の夜が更けていきます。
行こう さらに先へ
稲包山に到着したのは16時30分ごろ。
夜が迫っていましたが、もう先に進む力は残っていません。
計画外ですが、ここでビバークせざるを得ませんでした。
山頂の祠にお参りをし、手早くツェルトを張ります。
明るいうちからその兆候があったのですが、夕刻になって天気が悪化してきます。
風がかなり強くなり、雨もパラパラ降ってきた。
急いで食事を終えると、直ちにツェルトに潜り込みます。
案の定、間もなく本格的に雨が降りはじめ、強風がツェルトを揺さぶる。
しっかりと張ったので、ツェルトが吹き飛ばされることはないと思いますが、それでも心安く眠るという感じではありません。
落ち着かない気持ちですが、明日の行動を考えましょう。
まず、行くか、戻るか、でかなり悩む。おそらく1時間は迷ったと思います。
濡れた足はふやけ、しわができ始めており、部分的には痛みも感じる。
一方、横になっているうちに、身体の疲労はかなり回復してきました。
今夜できるだけ足を乾かしておけば、何とかなるかもしれません。
気になるのは水ですが、残り少ないながらまだ800mlほどはある。
あと、水分たっぷりのリンゴも一つ残っています。
ムジナ平の水場までは4~5時間ほど、今夜の雨なら水枯れはない。
・・・・・・
(`・ω・´) よし、行ける!
そうすると、あとは出発時間です。
計画では明日は赤石山のふもとで野営する予定でしたが、この状況ではすでに不可能。
とすると、野反湖のキャンプ場で野営するしかない。
ここから野反湖までは約10時間と見積もっていますが、足の状態を考えれば12時間ぐらいかかるでしょう。
そうすると、明るいうちに到着するには、明日の朝4時に出発しなければ・・・
ということで、3時起床、4時出発を決心し、一刻も早く眠ることにしました。
濡れた笹薮を進む
朝3時・・・
夜半にますます強くなった風雨のため、ほとんど眠れないまま起床。
真っ暗な中、ツェルトを畳み出発の準備を整えます。
幸いにも、雨は止んでいましたが、凄まじい数の蛾が襲い掛かってきます。
ヘッドライトめがけて無数の蛾が飛んでくるので、顔面にバシバシと当たるし、中には口の中に飛び込んでくる不届き者も・・・
( ;´Д`) ぐわぁぁ・・・
畳むツェルトにも何匹も集ってきて、払いのけますが何匹かは巻き込んでしまう。
そんなこんなで手間取りましたが、何とか予定通り4時に稲包山を出発
守ってくれてありがとうございました、と祠にお礼をいって山頂を後にします。
さて、ここからは人跡まれなルートです。
覚悟していましたが、いきなり深い笹薮に突入
微かに踏み跡がついていますが、いかにも頼りない。
この後しばらく行くと踏み跡は完全に無くなってしまいました。
「道を間違ったか?」と、かなり戻りますが、それらしい分岐はありません。
地図を何度も見ますが、地形的にはこのまま進むのが正しいようです。
ただし、夜の闇と藪で視界が制限されて、完全には地形がわからない。
とりあえず、もと来た道を失わないようにコンパスで逆方位を確認しつつ、踏み跡を意識的につけながら進むようにします。
・・・夜よ早く明けて・・・
明るくなれば、もう少し道の判断が正確にできるのですが・・・
しかしまだ4時、夜明けにはまだ1時間ほどかかります。
もう、写真を撮る余裕もありません。道を失わないようにすることで精一杯。
不安に耐えながら進むうちに、再び踏み跡らしきものが明瞭になってきました。
そしてその頃に、待ちに待った夜明けが。
ようやく写真を撮る余裕が出てきました。
道は次第に谷を出て、尾根に登るようです。
快晴ではないですが、やっぱり太陽が昇ると安心感が違いますね。
まだ低い雲が張り付いていますが、天気は回復傾向のようです。
5時20分に、三坂峠という場所に到着。
ここで道は二つに分かれ、北に行くと苗場プリンスホテル方向へ、西に行くとムジナ平を経て白砂山へと向かいます。
ここが最後の決心点。これ以降はエスケープルートはなく、野反湖へ抜けるしかありません。
道標の脇に立っていた注意書きが、緊張感を高める。
エスケープ無理、避難小屋なし、水枯れあり、携帯ダメ、熊・・・
(;゚Д゚) ううぅ・・・
しかし、ここまで煽られると、逆に闘志が沸いてきたりする。
もう一度、気を引き締めましょう。
よし、行くぞっ!
樹林帯から笹薮へ
三坂峠の道標の脇を、白砂山に向けて踏み出します。
とにかく一番の不安は道迷いでしたが、嬉しいことにこのような標識が。
道を整備してくださっている方々に感謝です。
さらに、ところどころでは指導標識も立てられています。
ここは地図上で・1766という場所ですが、ちゃんと現在地も記載してありましたよ。
時間は7時10分、ムジナ平まではあと1時間ほど。
道跡も明瞭だし、かなり安心です。
そこで、とっておきのリンゴを取り出して食べました。
日差しこそ弱いですが、とても蒸し暑く、のどが渇いてたまらない。
それでも、水が残り少ないので、一口飲んでは我慢し、我慢できなくなればまた一口と節約してきたのです。
このリンゴの美味しかったこと!
かじるたびに、果汁が溢れて口中に広がります。
カラカラに乾いた体に、その果汁が染み渡る感じ。
ほんとに美味しかったなぁ・・・
リンゴを食べて、朝から続いていた緊張も疲労も、かなり安らぎました。
美味しい食べ物は偉大です。
元気も戻ってきたので、先に進みましょう。
この辺りから、植生が一変します。
笹原になってきました。
これまで樹林帯で明瞭に道が見えていたんですが、分かりにくくなってきた。
さらにイヤなのは、濡れた笹で足元が濡れることです。
夜の間はレインウェアを着ていたんですが、夜明け後の樹林帯では暑くて脱いでしまいました。
なので、また足元が濡れすぎると、靴の中にしみこんでくる可能性がある。
しかし、もう完全に辺り一面の笹原。
いよいよ道が不明瞭になってきて、足が濡れるどころじゃなくなってきました。
平標山の家の御主人が、5月に道の草を刈ったと言っていましたが、あれから伸びたのでしょうか。それとも一時的に新潟側に入っただけなのか?
とりあえず稜線を外さずに進みます。
地形的にイヤなのは、こういったノッペリ系の場所です。
ここはなんとか道が見えました。
ここもなんとか道が判別できました。
もう、かれこれ40分ぐらいムンムンと蒸し暑い笹薮を漕いでます。
リンゴの効力もすでに尽き、かなりの疲労が・・・
ここがムジナ平・・・
笹薮の向こうに、森が見えてきました。
どうやら道は再び樹林帯に入るようです。
とにかく早く、この笹地獄を抜けたい!
森に入ると、待ちに待った道標が立っていましたよ!
道標には「セバトノ頭」と書いてありました。
とすれば、ムジナ平は目と鼻の先。
はやる心を押さえながら進むと、8時5分に、とうとう水場の表示が!
Σ ( ゚ ∀ ゚) おおーっ!
「水場0.1km」と書いてある!
これで昨日の午後から悩まされた水不足も解決っ!
ムジナ平も目と鼻の先ですが、まずは水場へ!
と、勢い込んで谷のほうに降りましたが、ここがまた難路・・・
しかも、踏み跡がほとんど確認できません。
もしかしたら、ここで道迷いするんじゃないか?
そんな恐怖すら感じさせる。
さらに下ると、トンネル状の溝に入り込みました。
数カ所、笹枝にテープが結びつけてありましたから、道は間違っていない・・はず。
しかもこの溝は枝分かれしていて、下るときはいいのですが、戻るときはどちらから来たか分からなくなります。ぼくも帰りに一度大きく間違えました。
時々振り返り、景色を記憶しながら進みましょう。
そして5分ほど下ると、とうとう水場を発見!
写真ではよく分かりませんが、確かに水が流れています。
しかし、昨日雨が降ったにしては、予想より水量は乏しい。
数日好天が続いた時は、枯れる恐れは十二分にありそうだ。
ともかく、500mlをまずは一気飲み。それでも足らずさらに500mlを一気に飲み干します。チョロチョロと水筒にたまる水量がもどかしい。
さらに水を補給し、これで一安心。
もと来た道を登り返しますが、違う枝溝に入ってしまい、少し迷ってしまいました。
道標の位置に帰り、少し歩くと樹林帯が途切れ、再び笹原に。
笹原の真ん中が茶色くなっているけれど、あそこがもしかして?
そのまさかでした。
ここがムジナ平・・・です。時刻は8時50分。
(;゚Д゚) えええ・・
笹薮を4帖半ほど無理やり刈り込んだだけ。
しかもだいぶ刈った笹が伸びてきて、剣山のようになっている。
いや、刈っていただいた方には本当に感謝なのですが・・・
ここで野営するのは、かなり勇気がいるのでは?
なんだか、熊も出そうだし・・・
何張りかのテントを展開できる広場を想像していたので、ちょっと驚きました。
ということで、特に休む場所もないため、このまま先へ向かいます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ぜひ、引き続き次回も一緒に旅してくださいね!
次回の旅はコチラ⤵
それでは、また。
(;゚Д゚)ノ バイバイ
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