山の匂いがする「黒部の山賊」
みなさん、こんにちは。
(*´Д`)ノ
今回は山にまつわる本の紹介です。
「黒部の山賊」
山が好きな人はもちろん、そうでない人にもぜひ読んでもらいたい一冊です。
とにかく、面白いし、興味深い話が満載!
この本は、戦後、北アルプス三俣小屋の主人となった伊藤正一さんの回想録です。
「アルプスの怪」と副題がついているのですが、怪談話ばかりではありません。
北アルプスの地誌・伝説や、今では失われてしまった山の風俗。
熊狩りに岩魚釣り、山小屋での暮らしなどなど。
特におすすめなのは、
三俣小屋で山賊たちと一夜を過ごした話
単発銃を連射する漁師の早業の話
キティ台風が直撃した黒部渓谷から生還した話
薬師岳での不思議な遭難の話
山で「オーイ」と呼ばれたら答えてはいけない話
黒部のカッパ、タヌキの怪異談
そしてなかでも一番好きだったのは、伊藤さんの愛犬「ジャム」にまつわる話です。
ジャムがカメラを向けるとポーズを取るようになった話(写真が載ってますが、本当にカッコよくポーズを取ってる!)や、ジャムが槍ヶ岳から三俣蓮華までを1時間(人間なら8時間!)で走った話は、短いですが魅力あるエピソードです。
大げさな修飾のない、淡々とした文章なのですが、それがかえって生き生きと情景を再現させてくれて、何度読んでも飽きません。
読んでいると、山の匂いがしてくるようです。
あと、この本の魅力として忘れてはならないのが、伊藤さんの撮った写真です。
昭和22年当時の三俣小屋が、あまりに粗末な小屋なので、びっくりします。
山賊と呼ばれた山の仲間たちのクセのある表情や、当時の黒部の風景なども、往時の様子が伝わってくるいい写真です。
荷運びをするボッカの写真がありますが、その荷物の大きさにビックリ。
幅5mぐらいある木材を背負っている姿は、どうやって山道を登ってきたのか不思議になります。
あと、遭難者の遺体を山上で荼毘に付す写真も衝撃的でした。
こうやって、「黒部の山賊」の面白さを話し出すときりがないのでこのくらいにしますが、とにかく、魅力にあふれた本です。
ぜひ、機会があれば一度手に取ってみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた。
(^ω^)ノ
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