夜明け そして平標山 ぐんま県境稜線トレイル⑤
(写真:谷川主脈の夜明け)
どうぞ読者に!
(;゚Д゚)ノ
みなさん、こんにちは。
ぐんま県境稜線トレイルの続きです。
前回は、大障子避難小屋での奇妙な夜について書きましたね。
前回の旅はコチラ⤵
夜中に突然「ドン! ドン!」と壁を打つ音が聞こえて肝を冷やしました。
虫がぶつかったんだろうと自分を納得させ、再び眠りに就きました。
それもそのはず、翌日の行程は今回の旅で最もハードなのです。
ルートの詳細はコチラ⤵
2日目は平標山(たいらっぴょうやま)から三国峠に下り、ムジナ平までの行程
この間の補給地点は、平標山のふもとにある山小屋(平標山の家)しかありません。
しかも、稲包山から白砂山までの間は地図上のルートがない。
(2017年版昭文社「山と高原地図」による。その後の版ではルートの線が入っています)
もちろんその間は、有人小屋はなく、避難小屋すらない。
エスケープルートもなく、水場も1カ所しかない。
まさに、深山の秘境地帯
さて、どんな旅になるでしょうか。
暗闇の稜線をゆく
翌日の厳しい行程を考慮すると、できるだけ行動時間を確保したい。
今日のように、また熱にやられて速度が落ちるかもしれないし。
ということで、計画より1時間早めて朝2時に大障子避難小屋を出発することに。
朝1時に起床し、準備を整えて時間どおりに出発しました。
小屋を後にすると、ただ暗闇が広がるばかり。
昨夜、小屋の壁を叩く不思議な音が聞こえたこともあり、気持ちはよくありません。
正直言って、不気味な感じがします。
しかし、そんな情緒的なことは言ってられないのが今日の行程。
ヘッドライトの明かりを頼りに、どんどん進んでいきます。
避難小屋からすぐに急登を登り、まずは大障子の頭に到着
時間は2時20分
草木も眠る丑三つ時・・・・
いや、もっと楽しいことを考えよう!
ここからは、ちょっと歩きづらい道に変わります。
岩がちで急な下りとなります。
いま写真を張り付けて気づいたのですが、谷の奥に何かが光っていますね。
ヘッドライトの光が届くには遠すぎる感じだし。
おかしいな、人はいなかったはずですが・・・
しかし、その時のぼくは、そんなことに気づきもしません。
一心に下り続けます。
先が見通せないだけに、どこまでも下っていくような気がします。
まるで奈落の底に落ちていくようだ。
途中、倒れた道標がありました。
まるで倒れた墓標のようだ・・・
いやいや、なんでそんな怖い方向にイメージするのか!
こうして暗闇の岩稜を進むこと1時間少々
3時15分、ようやく万太郎山に到着しました。
ここは谷川岳と平標山の、ちょうど中間に位置する地点です。
北側には土樽へと続く吾作新道が伸びていますが、もちろん何も見えません。
ヘッドライトの圏外は深い暗闇
留まる理由もないので、休むことなく先へ進みましょう。
万太郎山から先は、痩せた尾根が続きます。
暗い道の脇に灯りを向けると、深い谷があるようです。
足を取られないように、慎重に進みましょう。
ここを下りきると、越路避難小屋が現れました。
(;゚Д゚)ううっ・・不気味
先を急ぎましょう!
夜明けはまもなくだ!
夜明けのトレイル
越路避難小屋を少し行くと、この谷川主脈の最低鞍部に出ます。
標高は1568m。
ここで来た道を振り返ると、東の稜線が仄かに明るくなっていました。
たとえ僅かな光でも、何と心強い光でしょう。
闇が拭い去られていき、長く不安だった夜が終わる。
なぜか、ぼくの体にも力がみなぎってくる。
世界の至る所で、なぜ太陽が最高の神格を与えられているのか。
大自然の中で不安な一夜を過ごせば、その理由が肌感覚で理解できます。
ひとたび太陽が昇り始めると、あたりは光に満ち、闇はぐんぐんと追いやられていく。
30分も経つと、雄大な稜線が完全に姿を現しました。
これは来た道を振り返った風景です。
暗闇の中で気づきませんでしたが、群馬県側は切り立った断崖です。
こんなところを歩いてきたのか・・・
5時30分にはエビス大黒ノ頭に到着。
ここまでくれば谷川主脈の終点、平標山までは、あと2時間ほどの距離です。
夜明け直後の風が、尾根を爽やかに吹き渡っていました。
そして目の前に広がるのは、どこまでも続く稜線
最高のトレイル歩きが待っています!
さあ、先へ進みましょう!
ここは天国か 平標山
エビス大黒ノ頭を下ると、避難小屋があります。
谷川主脈の4つの避難小屋の中では、最も小さな小屋
「山と高原地図」では3人収容と書かれているが、2名が限度のような気も。
小屋後方の頂は、200名山でもある仙ノ倉山です。
仙ノ倉山の後方には、抜けるような青空が広がっていました。
仙ノ倉山までの尾根は広く、お花畑になっています。
数時間前までの不安な暗闇がウソのよう。
気持ち良く登っていきます。
大障子避難小屋を出発してから、約5時間後の6時50分、仙ノ倉山に到着
開けた広い山頂で、前周に眺望が得られます。
山頂から西には、平標山までの道が鮮やかに続いていました。
エビス大黒ノ頭までの峻険な稜線とは一転、
優しくなだらかな尾根。
平標山のふもと直下には、一直線に木道が伸びていました。
平標(たいらっぴょう)という名の通り、平らでおおらかな風景
(*´Д`) 気持ちいい!
これまでの厳しい道を思うと、まるで天国のよう。
山頂までの真っ白な木段は、天国への階段
何とすばらしい道でしょう。
進むのが、もったいなくなるくらいの美しさ。
少し足を止め、景色を目に焼き付けましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は、平標山の家へと下り、三国峠へと向かう旅のことを書きますね。
それでは、また。
(*´Д`)ノ バイバイ
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