谷川主脈の孤独な稜線 ぐんま県境稜線トレイル③
(写真:谷川岳から万太郎山へと続く稜線)
どうぞ読者に!⤵
みなさん、こんにちは。
(*´Д`)ノ
ぐんま県境稜線トレイルの旅の続きです。
前回は、谷川岳馬蹄形を終了したところまで書きましたね。
前回の記事はコチラ⤵しかし、馬蹄形は全長100kmに及ぶぐんま県境稜線トレイルの、ほんの玄関口。
この雄大なトレイルが真の姿を現すのは、実は谷川岳から先なのです。
谷川岳肩ノ小屋から万太郎山、そして平標山(たいらっぴょうやま)へと続く縦走路。
これは谷川連峰の主脈を構成する雄大な稜線です。
この長い尾根には有人小屋は一つもなく、水場も一カ所しかありません。
さらに、平標山から白砂山までは避難小屋すらない空白地帯・・・
この厳しいトレイルを歩くことができるのか?
(;´・ω・) 不安・・・
馬蹄形から2年が過ぎた2019年の夏
心と物の準備を整え、いよいよ残りの稜線トレイルに挑戦することにしました。
果たして、どんな旅になるのでしょう?
旅の計画を練る
まずは山地図を広げ、旅の行程を考えます。
前回は谷川岳肩ノ小屋から稜線トレイルを離れ下山しているので、まずはそこまで戻らなくてはいけません。
交通機関の乗り継ぎを考えると、どうしても肩ノ小屋への到着は昼過ぎ。
その時間だと、ちょうど万太郎山手前の大障子避難小屋で夜を越すことになります。(1日目)
翌朝は最大の難所。
平標山のふもとに山小屋があるだけで、あとは野反湖まで避難小屋すらない。
しかしその途中、唯一水場のあるムジナ平という場所があり、2日目はここで野営
3日目は、赤石山のふもとに四阿のある休憩所があるようなのでそこで野営
4日目は万座温泉を越えた毛無峠で野営
最後の5日目、四阿山に登り、鳥居峠に下って終了
このように計画を練ってみましたが、かなり厳しいルートです。
大きなワクワクと不安。
ザックにたっぷりの水と食料を詰め込み、2019年8月10日に出発しました。
早くも消耗の天神尾根
電車とバスを乗り継ぎ、やってきました谷川岳ロープウェイ乗り場
トイレを済ませてゴンドラに乗り込んだのが11時45分
機械の力は素晴らしい。
ぐんぐんと高度が上がっていく。
あっという間に標高1320m、天神平に到着です。
設置されている鐘には、「ぐんま県境稜線トレイル開通記念」と書かれていました。
いよいよ、5日にわたる縦走の旅のはじまり!
ザックのひもを締めなおし、いざ出発!
時刻は12時ちょうどでした。
天神平を後にしてしばらくは、整備された木道が続きます。
熊穴沢の避難小屋までは楽ちん。その後は岩がちの急登に。
ザックが重い・・・おかしいな・・・
この前の馬蹄形でも、こんな状態になりました。
軽い熱中症のような感じ。
(;´Д`) ハアハア・・・
この急登エリアを抜けると、肩ノ小屋へと続く見晴らしのいい稜線に出ます。
しかし、体調は最悪の状態。
頭がぼうっとして、激しい眠気が襲ってくる。
子供に抜かれるほど、歩みが遅くなっていました。
どうしようもないので、少し広くなった道の脇で座り込んで休憩
肩ノ小屋はすぐそこなのですが、目をつぶって少し眠ります。
本当にこんな体調で行くのか・・・・?
今回はやめた方がいいんじゃないだろうか・・・
きっと、これからの稜線トレイルが不安だったのでしょう。
頭の中は早くも、旅を止めることばかり。
こんな気持ちになったのは初めてでした。
肩ノ小屋ふたたび
しかし、休んでいると眠気も取れ、少し頭がハッキリしてきました。
立ってみる。どうやら力も蘇ったようです。
再び登り始め、14時5分に谷川岳肩ノ小屋に到着
これまでの晴天から一変、薄くガスがかかっています。
ここまで来たら、せっかくですから谷川岳の山頂まで行ってみましょう。
谷川岳は二つの山頂を持つ双耳峰で、それぞれオキ・トマの耳と名がついています。
まずはトマの耳
尾根沿いにガスが広がっていて、山頂は被っています。
そしてトマの耳に到着
真っ白で何も見えません。
オキの耳方向の稜線も、ガスがかかっていますが、ここまで来たら行ってみましょう。
そしてオキの耳到着。
ここも真っ白です。
この時、時刻は14時30分。
少し時間を使いすぎてしまいました。急いで戻りましょう。
15時前に肩ノ小屋に戻ると、霧がさらに濃くなってきました。
霧のせいでしょうか、これから先への不安が募ります。
谷川主脈の孤独な稜線
ここから大障子避難小屋までは2時間ほど。
不安とはいえ、あまり休んでいる時間はありません。
幸い、暑さが薄れたので体力は少し回復。
ということで、気を取り直し谷川主脈の稜線へと足を踏み入れました。
肩ノ小屋からの広々とした下りを過ぎると、人気のない尾根歩きとなります。
登山者で賑わっていた谷川岳の周辺が嘘のような雰囲気。
人の気配はおろか、何の物音も聞こえない。
自分の足音だけが響く、気味悪いほどの静寂
道標があるとほっとしますが、それがなお一層の孤独感を募らせます。
山で見かける古びた人工物は、時に不気味に感じられたりしますよね。
さらに尾根を西に。
肩ノ小屋から1時間30分ほど歩くと、完全に深山の雰囲気となります。
霧は徐々に濃くなってきたような気がします。
時間は16時前。
孤独な稜線・・・
この広大な山域に、ぼくはただ一人。
そう考えると、キュッと身が引き締まり、奇妙な高揚感を感じる。
やっぱり、ぼくは孤独体質なんですよね。
果たして、この先には何が待っているんだろう。
掻き立てられた冒険心に背を押されて、さらに稜線を進んでいくのでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
さて、次回は一日目の夜、そしてそこで起きた奇妙な出来事を書きますね。
次回の旅はコチラ⤵
それでは、また。
;つД`) バイバイ・・・
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