道迷いについて 五頭連峰の遭難に思う
どうぞ読者に!⤵
みなさん、こんにちは。
今回はあまり愉快な話ではないのですが・・・
2018年5月5日から新潟県阿賀野町の五頭連峰で行方不明になっていた親子が、29日になって遺体で発見されました。
ぼくは、このニュースがすごく気になっていて、何とか生きて見つかって欲しいと願っていたのですが、悲しい結果になってしまいました。
お二人のご冥福を心よりお祈りします。
報道によると、お二人の遺体は重なり合うようにして見つかったということなので、滑落したわけではなく、道に迷い、力尽きてしまったのでしょう。
どれほど寒かったか、空腹だったか、不安だったか。
本当に心が痛みます。
お二人が見つかった地点から予測するルートですが、恐らく以下のようなものだったと思います。
(赤線が推測される遭難ルート、赤丸が遭難地点、青線は登山道)
松平山に登った後、本来は登ってきた西側の登山道を引き返すはずだったと思われます。
しかし、下山口を間違えて南側の尾根に伸びる登山道を下ったのでしょう。
なぜ、この間違った道を進み続けたのかは疑問です。
もしかすると、ちゃんと道がつけられているので、不安を感じなかったのかもしれません。
ひょっとすると、このまま五頭山経由で下山しようとしたのかも。
これはすごく分かる。
ぼくも、山へ行くと、ついつい欲張っていろんな山に登りたくなる。
ペースが順調で、調子が良かったりすると、「あと一山」という気持ちになります。
滅多に来れない山だと、なおさら、「今日登らなければ、いつ登る?」という気になってしまいます。
もちろん、計画内で、かつ十分な時間と余裕があるなら、それもいいのですが。
そして恐らく、二人はある個所で、本来の登山道から外れて道を間違えたのだと思います。
ネットで、その個所と思われる場所の写真がアップされていました。
(写真:「登山ちゃんねる」さんの記事より)
この場所に立って、あなたならどちらに進みますか?
正しい登山道は左側の雪のないほうなのですが、倒木に塞がれているし、その先も樹木が密生しているように見えて、すごく分かりづらいです。
それに比べ、右側は道ではないのですが、開けているし、雪が薄く覆っていることもあり、道のように見える。
さらに、ここまで雪で覆われている道を下って来たならば、明らかに右側のほうが継続性があるように思えるでしょう。
ぼくも、この場所に立ったなら、右側へ行くと思います。
しかも、地図を見てわかる通り、右側に進んでもしばらくの間は緩い尾根下りです。
これでは、あとで振り返ってみても、どこで間違ったのかすら分からないでしょう。
しかし、しかし、この尾根は、その緩い尾根を過ぎると、急な下りとなり、迷路のように複雑な沢の地形が続くことになります。(赤円の中)
もしかすると、この急な下りを降りたところで道迷いに気づいたのかもしれませんが、登り返すことは難しかったのかもしれません。
お二人は、何度か助かるチャンスがあったと思います。
➀ 松平山の南の尾根を下った時に、登ってきた道ではないと気付いた時です。ここで既知点の松平山の山頂に戻るべきでした。
② 正しい尾根から外れて急な下りに差し掛かった時、恐らく道を外れたことに気が付いたはずです。ここで下るのをやめ、再び登るべきでした。
③ 最後に電話が通じた際、「道が分かったので、これから下る」と伝えたとのことですが、概略でもいいから自分の場所を言っておくべきでした。こうしておけば、捜索範囲がぐっと絞られて、力尽きる前に発見されたかもしれません。
やはり、道に迷ったと思ったら、正しいと分かる場所(山頂、道標)まで戻らなくてはなりません。
急な下りのあとだと、戻るのがおっくうになったりします。
あるいは、遠くに集落や人工物が見えたりすると、間違っていてもこのまま進めば大丈夫だと思う時もあります。
絶対にダメです!
次に、迷ったら沢や谷に下ってはいけないということです。
どの地図でもいいから、山の地形を見てください。
下れば下るほど、地形は複雑になり、急な崖や袋小路のような場所が多くなります。
下れば下るほど、見晴らしは悪く、自分の位置が分からなくなり、発見される確率が極端に低下します。
その逆に、
登れば登るほど、山頂に向かって道は集約し、尾根線沿いの単純な地形になります。
登れば登るほど、見晴らしはよくなり、開けた場所が増え、発見される確率が高くなります。
川まで出れば、そして川をたどっていけば、いつかは集落に出るか、山域から脱出できるような気がします。
また、水の近くにいれば、生き延びることができるような気がします。
これも絶対ダメです。
確かにそうかもしれませんが、その途中にはいくつもの滝があり、袋小路のようになっていて出ることのできない谷があり、ほぼ川沿いに進むことは不可能です。
そして道を探して迷っているうちに滑落するか、力尽きることでしょう。
しかし、こうやって部屋に座ってパソコンを打っている時と、実際に山で迷った時の心理状態は全く違います。
ぼくもなんども経験がありますが、正常な判断をしているようで、おかしな行動をとっていたこともあります。
沢のほうに下るほうが確実だと思い、実際に下りかけたこともある。
木々の隙間に街が見えて、このまま進んだ方が近道だと思ったこともある。
ふれあいの道でも、何度も迷っています。(いずれも大したことはなかったですが)
道迷いは、実際に直面するとかなり強い不安と衝撃を感じます。
特に、単独行であったり、夜が近くなったりすると、その心理的動揺はかなり大きなものがあります。
みなさんがそうなった時に、少しでも被害を少なくするために、今回の記事が参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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そして赤城へ
(写真:「黒檜山から花見ヶ原のみち」黒檜山から大沼を一望)
みなさん、こんにちは。
(*´ω`*)ノ
わたらせ渓谷から赤城山までの旅の最終回です。
前回は、道に迷いつつも、何とか花見ヶ原キャンプ場まで到着したところまで書きました。
前回の記事はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
ルートの詳細です。
平成29年11月25日に小中駅を出発し、水沼駅付近でビバーク。
翌26日に本宿駅を出発し、花見ヶ原森林公園に到着したのが12時05分でした。
ここからは「黒檜山から花見ヶ原へのみち」に入り、赤城山最高峰の黒檜山(くろひやま)を越えて大沼に下り、赤城ビジターセンターでバスに乗って帰る予定です。
熊笹をかき分けて黒檜山
ザックの中からパンを取り出し、昼食をとった後、12時15分に花見ヶ原キャンプ場を出発します。
このルートは大沼までの7.7km、これに赤城ビジターセンターまでの距離を加えて約8kmといったところでしょうか。
地図では、だいたい3時間半の所要と書いてあります。
すると、普通に歩いても16時ごろにはビジターセンターに到着するでしょう。
最終バスは16時55分ビジターセンター発なので、ここまでいろいろと道に迷い時間をロスしましたが、バスに乗り遅れるということはなさそうです。
ただし、余裕は1時間ほどですから、次に道に迷うと一気にピンチに陥ることも。
慌てず慎重に。
と、頭の中でざっくり計算し、最後の行程に向かいます。
まずは、キャンプ場の脇から伸びる、平坦な登山道を進む。
正面に黒檜山が見えます。
黒檜山は赤城山の最高峰で、標高は1828m。
ここからの標高差は約600mといったところでしょうか。
雪がなければいいな。
次第に熊笹が深くなってきました。
まだ道跡はしっかり確認できます。
平坦だったトレイルは、徐々に傾斜が出てきました。
熊笹は深く、地面全体を覆うように生えているので、道が分かりにくくなってきました。
しかし、ピンクのテープがしっかりつけられていて、進む方向はよく分かります。
ここなんか、テープがなければ迷ったかも。
それにしても静か。
風が熊笹をサワサワと揺らす音だけが響きます。
登山者の気配も全くありません。
冬の山は、木々の葉が落ちて、見通しが良くなります。
すこし、陽が傾いてきたかな。
中腹ぐらいから、木道が現れました。
木道は、道迷いの心配がないので安心。
標高が上がってくると、僅かですが雪もあります。
この坂を登ると、どうやら頂上のようです。
そして、この急坂を登ると、神社がありました。
ここで足を休めてお参り。
実は山頂はもう少し先。
もうちょっとだけ登ります。
5分ほど行くと、とうとう山頂に到着。
14時10分でした。
この先に「絶景スポット」があるらしい。
ちょっと行ってみましょう。
すると、水上から武尊山へと連なるパノラマが開けていました。
山なみが、白い雪をかぶっています。
遠いなあ。
いつか、歩いて旅してみたいなあ。
大沼へと下る 旅の終わり
しばし、黒檜山からの絶景を楽しんだのち、いよいよ大沼方向へ下山します。
14時25分に下山を開始しました。
右手に見える大きな湖が大沼、正面に見える小さな湖が小沼。
小沼の右、アンテナの立つ山が地蔵岳。
現在地から小沼の間に、一つ山がありますが、これが駒ケ岳。
目的地の赤城ビジターセンターは、駒ケ岳を越え、大沼と小沼の中間あたりになります。
黒檜山から大沼を眺めつつ、駒ケ岳方向へと下ります。
結構、急だ。
下るにつれ、大沼がどんどん大きく見えてくる。
下り終えると、駒ケ岳まではしばし平坦な鞍部です。
眺望のある、気持ちの良いトレイル。
しかし、すぐにまた駒ケ岳への登りに変わります。
そして、15時に駒ケ岳山頂に到着。
もう大沼は目の前。
湖のなかに、半島風に突き出た場所がありますが、あれが赤城神社です。
ここからはもう下るだけ。
時間も余裕があります。
のんびり行きましょう。
最後は、急な階段が続きます。
延々と続く。
ずーっと下って、15時30分にようやく下山。
すごく立派な案内板が立っていました。
ここから赤城ビジターセンターまでは数百メートルです。
で、10分ほど歩いて到着。
わたらせ渓谷から始まった2日間の旅も、ここで終わりです。
ビジターセンターは4時で閉館になってしまうので、バスが来るまでの間は建物の前のベンチに座り、お湯を沸かして味噌汁を作りました。
(*´Д`)=3 ほっ
冷えた体には、暖かい味噌汁が一番。
バスが来るまでの間、今回の旅を振り返ります。
ビバーク地がなくてさまよったり、道に迷ったりしましたが、ようやく赤城までたどり着きました。
今回の旅はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
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わたらせ渓谷に入った時は、夏だったのに、もう季節は変わり、これからは本格的な冬の訪れです。
景色も、渓谷と滝がつづく涼しげな風景から、山なみが連なる重厚なパノラマへと変化していきました。
歩いて旅を続けていると、そういった変化がはっきりとわかります。
そして、背後に積み重ねてきた距離の長さもまた、ひしひしと感じます。
遠くまで来た。
そして、まだまだ遠くまで行きたい。
正面に見える地蔵岳の上に、月が昇っていました。
次回からは、あの山を越えて、いよいよ群馬ルートの核心部、上毛三山(赤城山、榛名山、妙義山)を横断する旅のはじまりです。
次はどんな景色が待っているんでしょうか。
次回の旅はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
最後まで、読んでいただきありがとうございました。
それではまた。
(= ´ ω`)ノ バイバイ
花見ヶ原への遠い道
(写真:県道62号線沿いの橋)
みなさん、こんにちは。
(*´ω`)ノ
前回は、本宿駅を出発し「雑木の山路」でさんざん迷い、ようやく水口屋バス停までたどり着いたところまで書きました。
前回の旅はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
今回のルートのおさらいです。
平成29年11月25日に、小中駅から本宿駅まで行き、水沼駅付近でビバーク。
その翌日、本宿駅を6時40分に出発し、水口屋バス停に到着したのが9時25分。
たった7kmほどなのですが、道に迷って3時間ほどもかかってしまった・・・
ここからは、楡高トンネルを抜けてしばらく行ったあたりまで、ふれあいの道のルート設定がされていない連結区間です。
連結区間を出ると「花見ヶ原高原ハイキングコース」という名がつけられたふれあいの道に戻ります。
今回は、花見ヶ原森林公園までの道のりを書きます。
県道をひたすらのぼる
水口屋バス停に着いた時には、道迷いの疲れから、すっかり消耗していました。
「雑木の山路」の案内看板には、
「静かな雑木のトンネル」、「自然の豊かな営みが楽しく観察できます」って書いてあるけど、そんなのんびりルートじゃなかったぞ!
かなり気持ちはネガティヴになってます。
しかし、今日のゴールは、赤城の最高峰である黒檜山を越えたところにある赤城ビジターセンターです。
しかも最終バスは16時55分。
ブラックな気持ちを押し殺し、先に進むことにします。
ここから5km少々は、ルート外の連結区間。
淡々と県道65号を山に向かって登ります。
車はそれほど多くありませんが、長い!
次第に道は山を登っていきます。
このあたりになると、路側帯も狭いし、車のスピードも速くて怖い。
すると、谷を跨ぐ大きな橋の欄干に、ステキなものを見つけました。
おお!
山がある!
しかも、色使いもきれいです。
殺風景な県道に飽きてきたところだったので、なんだか癒される気がしました。
少し穏やかな気持ちになり、また登り続けます。
すると、また、
おおっ!
今度は、紅葉の山だ!
さっきの緑の山にも負けないぐらい、いい感じに仕上がってる。
なんだか楽しくなってきました。
もしかして、次の橋にもあるんじゃないか?
そうすると、
おおおっ!
やはり!
こんどは、冬山かな? 渋い色合いです。
いずれも、微妙にグラデーションがついていたり、色の濃淡の変化があったりと、素晴らしい出来栄えでした。
しかし、あまり徒歩で歩く人もいない道だから、あまり見る人はいないかもしれません。
ちょっと、もったいない気もしました。
そうこうするうちに、楡高トンネルの入り口です。
中には歩道がついていました。よかった。
1km以上あります。
(´Д`) 長い・・・
しかも、真っ暗で寒い・・・
トンネルを出ると、県道の脇から山道に入ります。
そうすると、程なく「花見ヶ原高原ハイキングコース」のスタート地点に到着。
10時25分でした。
またもや道がわからない
さて、ここから花見ヶ原森林公園までは7km少々です。
このままでいけば、12時前ぐらいには着けそうです。
そうすると、黒檜山を越えて赤城ビジターセンターの道のりを3時間半としても、16時前にはゴールできる。
そうすると、16時55分のバスには余裕をもって乗ることができそうです。
ちょっと目途がついてきたので、心に余裕ができてきました。
まずはゆっくりと歩いていきましょう。
明るい杉林を縫って、道が続きます。
このあたりから、山道に。
道の入り口に庚申塚がありました。
赤城方面に抜ける古い道だったのかもしれません。
途中、道が川でふさがれています。
足を濡らさないように、飛び跳ねるように渡ります。
やがて道は、森の中に。
道標はあるのですが、道が判然としなくなってきました。
あまり通る人がいないのでしょう、道が荒れてきました。
さらに、その上に下草が茂って、どこが道だかわからない。
とりあえず、道標の指す方向に進みます。
かなり怪しくなってきた・・・
道のようでもあるし、単なる窪みのようにも見える。
さらに行くと、その先が明るくなっています。
どうやら森から出ることができそう。
よーし、いい感じだ。
しかし、林を出てみると、荒れた斜面が続いていました。
明らかに、人が通るようなところではありません。
どうやらまた、道を間違えたようです。
(;´Д`)・・・
地図を読むと、方向的にはこのまま登っていくと、花見ヶ原へと続く舗装道にぶつかるようです。
自分の位置がだいたい把握できていたので、このまま方向を維持して進みました。
すると、予想通り、舗装道を発見。
やれやれ。
花見ヶ原森林公園のキャンプ場に到着したのは、12時5分でした。
疲れたー。
冬なので、キャンプ場は閉鎖されていて、誰もいません。
ちょうど昼ご飯の時間なので、ベンチに座ってパンを食べます。
迷ってばかりだから、かなりバテてしまいました・・・
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は、ここから黒檜山を越え、赤城ビジターセンターへの道を書きますね。
それでは、また。
(´Д`)ノ バイバイ
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道がわからない!
(写真:「雑木の山路」の道標)
みなさん、こんにちは。
(= ^ω^)ノ
前回は、わたらせ渓谷の小中駅から本宿駅まで旅し、ビバーク地点を探してさまよったところまで書きました。
前回の旅はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
今回は、その旅の2日目です。
もう一度、ルートをおさらいしておきましょう。
今回は、再び本宿駅まで戻り、そこから「雑木の山路」に入り水口屋バス停まで北上した時のことを書きますね。
平成29年11月26日のことです。
ふたたび本宿駅へ
朝。
まだ暗いうちにツェルトをたたみ、出発準備を整えます。
うーっ、寒い!
次のルート「雑木の山路」は本宿駅の近くがスタート地点なので、もう一度戻らなくてはなりません。
一駅の距離ですが、時間節約のため今日は電車で移動します。
始発を待つ水沼駅には、誰もいませんでした。
震えながら、昨日残しておいたパンを口にします。
本宿駅から数百メートルのところに、大きな案内板が立っていました。
ここが「雑木の山路」の入り口です。
「雑木の山路」というコース名から、なんとなく簡単なルートという気がします。
何でもない散歩道という感じ。
距離も7kmほどだし、途中にこれといった見どころもなさそう。
これはもう、一気に走り抜けて、後半の黒檜山登山に備え時間を稼がなくては!
そんな感じで、いたって軽い気持ちでコースに入っていきました。
道がわからない!
まずは坂道を登り、台地の上に出ます。
で、このあたりでどっちに行けばいいか分からなくなる。
いきなりの道迷い。
田んぼや住宅の周りをウロウロと30分ほどさまよった後、ようやく道を発見。
ここから山道に入っていくようです。
なんだか、頼りない感じの道だけど、大丈夫かな。
まるで、家の裏にある畑道のよう。
柿の木の下に並ぶお墓。
次第に道は寂れてきます。
しかし、道はしっかりとしているので、迷うことはありません。
どんどん先に進みます。
調子よく走っていると、道の脇に奇妙なものを見つけました。
道標です。
しかし、何も書いてありません。
表示面は、道とは反対側の林側を向いているのです。
えっ?
なんで道標が裏返っているんだろう?
でもまあ、道はハッキリと続いているし、このまま進みます。
きっと誰かが、イタズラで裏向けたんでしょう。
まっすぐ進むと、やがて道は荒れた感じに変わってきました。
さらにまっすぐ進むと、
確かに道はあるのですが、足跡もほとんど見当たらず、雰囲気もあまり人が来るようなところに見えない。
果たしてこれがふれあいの道のコースなんでしょうか?
しかし、ずっと一本道を来たのですから、間違えるはずはない!
はず・・・
疑いながら、さらに進むと、
連続する倒木。
そして、道もかなり細くなり、もはや踏み跡は完全に無くなっていました。
ここに至り、道を間違えていることを確信。
しかし、どこで間違えたのでしょう?
Σ( ゚ Д ゚) あっ!
頭の中に、あの裏返しになった道標がよぎりました。
もしかすると、あれは裏返しになっていたのではなく、あそこが分岐だったのでは?
半信半疑ながら、急いで戻ります。
すると、
よく見ると、太い道から分岐して、右手にかすかに道がある!
道標はその道のほうを向いている!
その、右のほうの道に降りて見てみると、
たしかに、道標はこちらを向いている!
どうやら、こちらが正しい道のようです。
普通に進めば、本宿駅からこの分岐までは30分とかからないでしょう。
しかし、これほど大きく迷ってしまったので、すでに1時間以上かかってしまいました。
そしてまた迷う
なんだかとても疲れた・・・
でも、まだまだ先は長い!
気を取り直して進みます。
しかし、この「正しい」道も、かなり荒れています。
地図を見ると、ここから下りとなり、さらに沢と合流するはず。
方向も合っている。
ほどなく道は下りとなり、下りきったところに川が流れていました。
川と並行して、立派な道が走っています。
さらに、道の脇の木には、なにやら白い札が下がっていました。
うん、確かにふれあいの道です。
地図通りだったとはいえ、ところどころ道跡が消えているような荒れた箇所を進んできたので、かなり安心しました。
さらに、目の前にはしっかりとした道が伸びている。
地図を見ると、この道を進めばすぐに川を渡る場所があるはずです。
よーし、これでもう大丈夫。
少し元気がよみがえってきます。
しかし・・・
何ということでしょう。しばらく行くと道は川を渡ることなく、行き止まりになっていました。
(;´・ω・) ええっ?
どこかに川を渡る場所がないかと探しますが、それらしい箇所はありません。
行き止まりの先を探してみますが、やはり道はありません。
どうやら道をまた間違えたようです。
どこで間違えたのか全然見当もつかない。
仕方なく、先ほど木に札がかかっていた場所まで戻ります。
すると・・・
斜面を下った先に、橋があるではありませんか!
さらに、その橋の向こうには、道標らしきものも立ってる!
うかつでした・・・
しかし、少し覗きこまなければ、橋がわからないのも事実。
また、かなりの時間を使ってしまった・・・
なんだか、夕方までに赤城ビジターセンターにたどり着けるか心配になってきました。
再度、気を取り直して進みます。
すると、またまた荒れ放題の道が・・・
竹をくぐり、腰を屈めながら進みます。
確かに道標はありましたが、よほど注意して見ないと絶対わからない!
見つけられました?
この、迷宮のような「雑木の山路」を抜け、水口屋バス停にたどり着いたのは、なんと本宿駅を出発してから約3時間後の、9時25分でした。
ぐったり。
このあと、夕方までに黒檜山を越え、赤城まで行かなければならないのですが、果たして大丈夫でしょうか?
次回は、この続きを書きますね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではまた。
(;´Д`)ノ バイバイ
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行き暮れて冬の旅
(写真:わたらせ渓谷の夕暮れ空)
みなさん、こんにちは。
( ^ω ^)ノ
しばらく番外編が続きましたが、今回から旅の本編に戻ります。
前回の旅は、大滝・けさがけ橋を経て、最後に渡良瀬川に飛び込んで汗を流しました。
平成29年8月1日のことです。
前回の旅はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
なんと、この旅の続きは、それから4カ月もたった11月の末になってしまいました。
というのも、夏の間は北アルプス方面への旅に2回ほど出ていたため、ふれあいの道を少しお休みにしていたのです。
北アルプスの旅はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
そんなこんなで、すっかり前回の旅から時間が経ってしまったのです。
全体図はコチラです。
わたらせ渓谷に別れを告げて、とうとう群馬県の山地部に入っていきます。
細部ルートです⤵
小中駅からは、花輪駅までの「童謡のふるさとを尋ねるみち」の残り4kmほどを進みます。
ここから、本宿駅まではコースが設定されていない連絡区間です。
渡良瀬川のどこか良い河原でも見つけてビバークするつもりでした。
本宿駅からは北に道を取り、水口屋バス停までの「雑木の山路」7.2km。
ここから再び連絡区間となり、次のルートまで約5km少々は県道沿いに北上します。
楡高トンネルを抜けた先あたりで「花見ヶ原高原ハイキングコース」に入り、花見ヶ原森林公園からは「黒檜山から花見ヶ原へのみち」となります。
黒檜山に登り、そのまま赤城ビジターセンターまで下って終了。
全部でだいたい35kmぐらいでしょうか。
ということで、平成29年の11月25日から26日の2日間にかけて旅をしました。
花輪駅まで
小中駅に到着したのは12時30分でした。
前回の旅では、典型的な田舎の夏休み風景だったのですが、いまではすっかり物寂しい雰囲気を漂わせています。
同じ景色でも、季節によってこんなに見え方が変わるんですね。
今回の旅は一人ということもあり、列車が去っていくと、ちょっと心細さを感じます。
気持ち良くドボンした渡良瀬川も、
冷たそうな水音を響かせていました。
駅前の吊り橋を渡り、「童謡のふるさとを尋ねるみち」に入ります。
日本広しといえど、駅前に吊り橋がある駅も、小中駅ぐらいじゃないでしょうか。
しっかりした舗装道を進み、30分ほど行くと、お隣の中野駅が見えてきました。
森の中の駅、、といった感じです。
13時30分には「童謡のふるさとを尋ねるみち」のゴールとなる花輪駅に到着。
花輪は昔、足尾銅山へと通づる街道の宿場町だったということで、集落も大きく、駅も立派です。
昔の小学校が記念館として残されていましたが、これも立派な建物です。
この記念館の脇に、「うさぎとかめ」や「きんたろう」の作詞者である石原和三郎さんの記念碑が建てられていました。
行き暮れて冬の旅
ここから二駅先の本宿駅までは、コース設定がされていない連絡区間です。
とりあえず、線路沿いに進みます。
渡良瀬川の河原あたりに場所があればビバークしようと思うのですが、あまり良い場所がありません。
というか、急な崖になっていて川まで降りられない。
「まあ、本宿駅まで行けば、何とかなるだろう」と、考えて先に進みます。
途中、生みたて卵の自動(?)販売機がありました。
そうこうするうちに、隣の水沼駅に到着しました。
わたらせ渓谷鉄道沿いでは、水沼は大きな町です。
さらに先に進みます。
しばらく歩くと、道沿いに唐突に「本宿駅」の看板が。
( ^ω^ ) ?
見たところ、駅らしいものは見当たりませんが・・・
階段の下を覗いてみると、
うわっ!
確かに駅が・・・
しかしどうやら、本宿駅まで行けば、今夜は何とかなると思っていたのは間違いだったようです。
駅の様子を見ればわかる通り、このあたりは河原でビバークできるような地形ではありません。
( ´・ω・` ) 困った・・・
まだ、暗くなるまでは時間がある!
ということで、あたりで適地を探しますが、やはりいいところがない・・・
得たものといえば、足にくっつく草の種ばかりです。
行き暮れたまま、夜が近づいてきました。
日が傾くと、冬の寒さが身に沁みます。
仕方なく、本宿駅に戻ります。
しかし、そこはすっかり雰囲気が変わってしまっていました。
あと、数十分で真っ暗になるでしょう。
これ以上、本宿駅周辺でビバーク場所を探すことはやめにして、水沼駅に戻ることにします。
なんとか水沼駅近くの河原で適地を見つけましたが、心細い一日でした。
すっかり体が冷えてしまったので、ラーメンを食べます。
そして、ホットウイスキー。
これでようやく、安らかに眠れそうです。
おやすみなさい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は、本宿駅に戻り、渡良瀬川に別れを告げて赤城山を目指します。
次回の旅はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
ではまた。
(=^ω^)ノ バイバイ
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ふれあいの道 ひとこと道標
みなさん、こんにちは。
( ^ω^)ノ
今回は、道標の話です。
以前、ふれあいの道には3種類の道標があることをお話しました。
道標の話はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
道しるべタイプ、石柱タイプ、石碑タイプ。
ふれあいの道では、この3種類の道標がメインですが、その他にもさまざまな種類の道標が立っています。
今回は、その中でも「ひとことタイプ」の道標について紹介しますね。
ひとことタイプ 道標とは
他の道標と同じく、ふれあいの道の途中に立ってます。
でも、方向を案内してくれているわけじゃないので、正確には道標とは言えないかも。
しかし、少なくとも、これが立っていれば、ルートから外れていないことがわかります。
ただし、書いてあるのは、地名や方向ではありません。
こんな感じ。
あとよく見るのは、こんな感じ。
町中では、こんなものも。
まあ、こういった注意書き風の内容が大多数です。
このタイプの道標は、神奈川、千葉、茨城では見ることはありませんでしたが、栃木、群馬では時々見かけます。
いろんな注意があるもんだ
ひとこと道標は、いろんな注意をしてくれます。
先ほどの写真のような、ゴミ持ち帰り系と並んでの定番がこれ、「山火事注意」系。
定番だけに、表現もストレート。
英語併記版もあった。
余計な修飾語がないところに力強さを感じます。
次に多く見るのが、「自然を大切に」系。
自然を大切にしよう!
トレイルトラベラーの基本ですよね。
「気をつけて歩こう」系も多いです。
「ガケあり危険」
「踏切はよく見て渡ろう」
たとえ、あんまり列車が通らなくたって、右見て、左見て。
「足もとに注意」
どんな危険が待ってるか分からない!
「さかみち注意」
気を引き締めて歩きましょう。
中には、こんな注意書きも。
これは「高原と牧場のみち」にあった、ひとこと道標です。
牧場を横切ってトレイルが伸びていましたからね。
その時の旅はコチラ⤵
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まとめて箇条書きにしているタイプも。
ひとこと道標の楽しみ
実は結構、「ひとこと道標」に出会うのは楽しみです。
普通の道標に比べると数が少ないので、これが立っていると微かなレア感があります。
しかし、何にもまして、「次は何が書いてあるか」という楽しみです。
意外とバリエーションがあるので、新しい「ひとこと」があると、なんだか得したような気分に。
さらに言えば、人とほとんど会うこともないようなトレイルでは、この道標に出会うと会話が交わされたような気がして、元気が出たりします。
そして中には、単なる注意書き以上の、励ましの言葉が書かれている道標も!
こんな感じ。
\(^o^)/「気分爽快!」
でも、これが結構、寂しい場所に立ってたりする。
こんなのも。
「エンジョイ・ウォーク!」
この前向き感!
ちょっと疲れている時に、この道標に出会えば元気回復まちがいなし。
そして最後に、
一人ぼっちで旅している時なんか、これは心に響く!
そうそう、自然は友だち。
周りは友だちだらけ。
夜になったって、
さびしくなんかない・・・はず。
( ^ω^ ) ・・・
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではまた。
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「八甲田山死の彷徨」のこと
みなさん、こんにちは。
(´・ω・)
またまた、山にまつわる本の紹介をします。
前回は「黒部の山賊」の話をしましたが、今回は、新田次郎作「八甲田山死の彷徨」の話です。
「黒部の山賊」の話はコチラ⤵
trailtravel8hureai.hatenablog.jp
「黒部の山賊」は愉快な話でしたが、「八甲田山」はそうではありません。
高倉健主演の映画で知っているという人も多いと思いますが、原作は映画とは比較にならない緊迫感と絶望感があります。
あらすじの簡単な紹介です。
日露戦争前のこと、厳寒時の戦闘に備え、陸軍の青森第5連隊と弘前第31連隊が冬の八甲田縦走訓練に挑みました。
少人数で案内人を付けた青森5連隊は無事縦走に成功しますが、210名で臨んだ弘前31連隊は悪天候の中、山中に彷徨して遭難し、なんと11名しか生存しなかったという、世界山岳史上でもまれにみる大惨事を起こしてしまうという話です。
小学校のころ、映画が封切りされていて、
「天は我を見放したー」というセリフがはやった記憶が。
この本が書く雪山の恐ろしさは、今になってもどこか心の中で引っかかっています。
特に、極限状態になった人の精神状態の描写は、鬼気迫るものがあります。
「雪の中に座り込んで、げらげら笑いだす者もいた。何ともわけのわからぬ奇声を発しながら、軍服を脱いで裸になる者もいた」
特にこの一節は、衝撃的でした。
また、沢に迷い込んだ残存者の一部が、「これより、駒込川を下って報告に行って参ります」と言って、川に飛び込んで凍死する場面がありました。
ここで恐ろしかったのは、周りでそれを見ていたほとんどの者たちが、「うまいことを考えついたものだ」と思っていて、その後さらに3人が続く描写です。
いかに極限状態が人間の思考を狂わせるか。
山に入れば、自分もそうなる可能性があるということを、ぼくは心のどこかで恐れています。
この本は、そういう意味で、山登りをする人の教科書でもあると思います。
恐ろしい話ばかりではなく、山の知恵のようなこともたくさん書いてあります。
厳寒時の携行食は、油紙に巻き、風呂敷に包んで肌に抱いておくこと。
喉が渇いても雪を食べてはならないこと。
水筒の水は七分目にしておくこと。
汗をかいてはならないこと。
磁石の針は凍って動かなくなること。
そして
「だいたい山というものは、優しい姿をした山ほど恐ろしいものだ」という言葉は、何にもまして、山で生きる知恵が込められているような気がします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
またいつか、「山の本、旅の本」について書きますね。
コチラの本もどうぞ⤵
それでは、
(*´ω`)ノ バイバイ
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